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【岐阜】転写用の版下原画見つかる 「美濃の岸田劉生」故加藤延三描く

ジャンル・エリア : 岐阜  2009年10月01日

寄贈した加藤延三の版下原画などを手にする禎宏さん=多治見市東町の県陶磁資料館で

寄贈した加藤延三の版下原画などを手にする禎宏さん=多治見市東町の県陶磁資料館で

 大正~昭和初期の洋画家岸田劉生の弟子で、作風が似ていたことから「美濃の岸田劉生」とも言われた故加藤延三(のぶぞう)の描いた陶磁器転写用の版下原画と銅版刷紙が見つかり、多治見市東町の県陶磁資料館に寄贈された。6日~12月23日に開催される同館の企画展「加藤延三とやきもの」で展示される。

 
  陶磁器に模様をつけるための当時の転写方法は、まず硫酸で処理した紙に筆で模様を描き、版下原画を作る。写真製版と同じ手順で銅版に焼き付け、そのくぼんだ部分に呉須を塗り込み、銅版刷紙と呼ばれる和紙に一度写してから、素焼きの陶磁器に転写する。

 今回、企画展について資料の掘り起こしを依頼された孫の加藤禎宏(よしひろ)さん(58)=土岐市駄知町=が自宅で発見。「役に立ててもらいたい」と、版下原画491枚と銅版刷紙648枚を同館に寄贈した。

 原画にはイチョウの葉や扇などが描かれている。一部には「昭和拾弐年」と書かれており、同館は「ほとんどが昭和初期の物ではないか」としている。

 企画展ではこれらの原画の一部と、同じ原画を使ったとみられる器などを並べる。同館は「原画が見つかるのは極めて珍しい。後世に残していきたい」としている。 (志村彰太)

【かとう・のぶぞう】
1891~1970年。土岐市の銅版業の家に生まれ、幼少期から銅版彫りを手伝う。14年に岸田劉生と交流が始まり、稼業の傍ら絵画を手掛けた。社会教育功労者として59年に県から表彰を受けた。

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