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【愛知】「甘酒市場」開拓へ新商品 半田市の中埜酒造

ジャンル・エリア : 愛知  2009年10月05日

今月から販売の冬季限定商品を手にする馬場信雄取締役(右)と夏季限定商品を紹介する榊原康彰部長=半田市東本町で

今月から販売の冬季限定商品を手にする馬場信雄取締役(右)と夏季限定商品を紹介する榊原康彰部長=半田市東本町で

 黒い壁の醸造蔵が立ち並ぶ半田市の半田運河。江戸時代からこの一角で酒を造り続けてきた老舗・中埜酒造だが、この夏、積み重ねてきた技術を生かし、新しい商品「酒蔵の冷やしておいしいあまざけ」を夏季限定で出した。米と米麹(こうじ)だけを原料に、昔ながらの製法で造った甘酒だ。

 
 馬場信雄取締役は「甘酒は寒い時の飲み物だと思われているが、俳句には夏の季語として登場する。あまり知られていませんが、元来は夏の飲み物なんですよ」と弾むような声で話す。ビタミン、ミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養成分が入っており、昔は滋養強壮のための栄養ドリンクとして親しまれていたという。

 日本酒を搾り取った後の酒かすに砂糖と水を加えてた一般的な甘酒は、アルコールが数%残ってしまうのに対し、今回の新作はアルコール0%。砂糖は一切使わず、同社に伝わる糖化の技術を用い、すっきりした甘みに仕上げた。幅広い年齢層が飲むことができるという。

 開発に着手したのは4年前。ワイン、焼酎、梅酒など、状況に合わせて飲み分ける人が多くなったのに伴い、日本酒の市場は縮小傾向に。事業を展開するうえで別の柱を持たなければ、との思いから生まれた商品だった。

 今回の試みで最も苦労したのは衛生管理。アルコールには殺菌作用があったが、今回はいつも以上に注意が必要だったという。ノンアルコールで糖類を添加しないタイプの甘酒は、従来の手法だと保存期間は3カ月が限度。これに対して同社が開発した高温短期殺菌法を用いることで、9カ月まで保存期間を延ばすことができたという。

 清酒の醸造という昔から伝わる技術を活用していることから、地元の資源を生かした新商品作りを応援する経済産業省の認定事業にも選ばれた。

 10月からは冬季限定商品に切り替わり、同種の甘酒を発売。夏季限定よりも、こくがあり、温めて飲むとうま味が増すという。

 企画開発を担当した榊原康彰部長は「甘酒売り場をどこのスーパーマーケットでも見たことがないのは、市場が開拓されていない証拠。大いに可能性を持っている商品」と期待を込める。

 (石井紀代美)

 【中埜酒造】1844(弘化元年)年創業、1965(昭和40)年に株式会社へ改組。従業員は250人、資本金6000万円。「國盛」は「国の繁栄を願い、それとともにわが酒の盛んなること」との望みから命名。電0569(23)1231。

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