【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【静岡】浜松市楽器博物館のCDがブーム 古楽器で魅惑の調べ

【静岡】浜松市楽器博物館のCDがブーム 古楽器で魅惑の調べ

ジャンル・エリア : 静岡  2008年10月06日

静かなブームを呼んでいる浜松市楽器博物館のCD=浜松市中区中央で

静かなブームを呼んでいる浜松市楽器博物館のCD=浜松市中区中央で

 秋の夜長にクラシック音楽はいかが-。浜松市楽器博物館(中区中央3)が所蔵する古楽器で演奏した名曲を収めたCDが、静かなブームを呼んでいる。この夏には16作目が登場し、売り上げも好調という。200年ほど前のピアノなどで当時の演奏を、一流奏者が忠実に再演しているとあって、ファンの輪は着実に広がっているようだ。 (報道部・出来田敬司)

 
 「古楽器は骨董(こっとう)品ではなく、その時代背景を映し出している。CDは当時の演奏を再現しており、音楽史の研究としても歴史的成果となった」。制作に協力した静岡文化芸術大(浜松市中区)の小岩信治准教授は、そう太鼓判を押す。

 市楽器博物館は「コレクションシリーズ」と題したCDを1997年から発売。ピアノを中心にチェンバロやサクソホン、トランペットなどを、その道のプロ奏者に演奏してもらい、ハイドンやシューベルト、ベートーベンなどの名曲をCD化してきた。

 ことし8月末には16作目として「シューマン夫妻の室内楽」を出した。オーストリアの楽器製作者コンラート・グラーフが作ったと伝えられる1819、20年ごろのフォルテピアノで、ピアニスト小倉貴久子さんが往時の調べを現代によみがえらせた。

 ピアノ協奏曲の演奏の歴史に詳しい小岩准教授などによると、このシリーズで利用されるピアノは、19世紀初頭に欧州で作られたフォルテピアノ。鉄枠で内部を固め弦を引っ張る現代のピアノに対し、枠がないフォルテピアノの張力は弱い。このため音量は大きくないが、繊細な音色を奏でるのが特徴という。

 シリーズは音楽専門誌でも高い評価を受けている。14作目のベートーベンの「交響曲第2番」「ピアノ協奏曲第4番」は、「現代ピアノとは異なるベートーベンの革新性と精神性を表現している」などと称賛された。

 大都市ではクラシックコンサートが小さなホールでよく開かれるようになり、古楽器への関心も高まりつつある。市楽器博物館の嶋和彦館長は「今後も館内の楽器を使い、シリーズを生み出していく。現代の楽器しか知らない方に、音のつやや響きを感じてもらいたい」と話している。

 CDの問い合わせは同館ミュージアムショップ=電053(451)0300=へ。

旅コラム
国内
海外