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【長野】知名度アップに新たな地域名物 大町の「黒部ダムカレー」

ジャンル・エリア : 甲信越  2010年06月07日

ご飯のえん堤が特徴的な黒部ダムカレー=大町市仁科町の「三洛」で

ご飯のえん堤が特徴的な黒部ダムカレー=大町市仁科町の「三洛」で

 大町市のご当地グルメとして昨年夏に誕生した「黒部ダムカレー」。提供店舗は、当初の8店から18店へと増え、同市の姉妹都市・東京都立川市の飲食店も参加するなど、拡大を続ける。「大町の知名度アップに」と始まったプロジェクト。B級グルメブームに乗って、地域の新たな名物となるか。

 

 黒部ダムカレーは、大町市が主な飲食店に働き掛けて生まれた。同市は、年間100万人の観光客が訪れる黒部ダム(富山県立山町)の玄関口だが、知名度が低いのが実情。両者を「食」で結び付け、ダム観光客を市街地に呼び込むのが狙いだ。

 ご飯をえん堤の形に盛り、カレールーをダム湖のようにえん堤の外側に流し込む。その上に遊覧船に見立てた1品をトッピングする。主な決まり事はそれだけ。材料も味も自由だから、各店の独自性が強い。

 JR信濃大町駅近くの「三洛」は、昔ながらの家庭の味を基本にしたカレールーに、ヒレカツ2枚と、映画「黒部の太陽」にちなんで目玉焼きをトッピングした。キャベツの千切りやレタスを添えてダム周辺の自然を表現したボリューム満点の1皿だ。

 「地域を元気にしたい」との思いで参加したという店主の高橋道夫さん(57)。「インターネットで知ったのか、初めてのお客さんがメニューを見ずに黒部ダムカレーを注文することも。昼だけで10皿出たときもある」と手応えを感じている。

 提供店舗はほとんどが同市内だが、立川市の「中国料理五十番」も4月から、地元特産のウドを添えた黒部ダムカレーをメニューに加えた。常連客には大町と黒部ダムの話をしながら勧めることも。店長の高橋昌裕さん(43)は「ご飯でダムをつくるなんて、くだらないでしょ。でも、そこが面白い。大町に行くきっかけになれば」。同市内の提供店舗は今後さらに増える見通しだ。

 ところで、黒部ダムとカレーは関係があるのか。黒部ダムに通じる関電トンネルトロリーバス扇沢駅(大町市)のレストランでは、昭和40年代初頭からダムをイメージしたカレーを販売。さらに、「黒部ダム建設に従事した作業員たちが当時、冷えきった体を少し辛めのカレーを食べて温めたという話もあるんです」と、市担当者の松沢秀樹さんはつながりを説明する。

 今月には、松本市の土産会社が「黒部ダムカレーせんべい」を発売し、飲食店にとどまらない広がりも見せ始めている。

 ご当地グルメとしての定着に向け、今後どんな活動をするのか気になるところ。神奈川県横須賀市で5月に開かれた「よこすかカレーフェスティバル」では、大町市内の提供店がイベント用の黒部ダムカレーを販売、2日間で1200食を完売した実績もある。B級グルメコンテストへの参戦も有り得るのか。松沢さんは「提供店のやる気があれば、そういう目標があってもいい」と前向きだ。

 (中沢稔之)

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