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【滋賀】空き町家利活用へ奮闘 橋渡し団体、にぎわい創出や景観保全

ジャンル・エリア : 近畿  2010年12月12日

空き町家を見学するツアー参加者たち

空き町家を見学するツアー参加者たち

 近江八幡市の八幡山ふもとに広がる観光名所の旧市街地。昔ながらの土間や井戸、おくどさん(かまど)などがある町家が並び、観光客らが郷愁を感じながら通りを散策する。最近、所有者の転勤や高齢化で空き町家になるケースが目立ち、地域の衰退が懸念されている。にぎわい創出や景観保全に向け、現状と課題を追った。 (桑野隆)

 
 旧市街地には、明治・大正時代などに建てられた町家が430軒余りあり、うち約70軒が空き家(空き家率16%)。住民は「放置すれば、近江商人が暮らしていた町並みが損なわれる」「地域活力をよみがえらせるためにも町家を守ろう」と語る。県内外の利用希望者は「空き町家で観光客向けの店を開きたい」「古民家で暮らしたい」と要望する。

 県内外の主に都心部に住む空き町家所有者は、自分が生まれ育った家への思い入れが強いためか、人に貸し出したり、売却を望んではいない。そのため、地元不動産業者にはほとんど空き町家物件情報はなく、利用したい人が直接所有者と交渉しなければならない。空き町家を貸し出す場合も、知人に限るほか、修理や改装費などは借り主負担になるケースが多い。

 所有者と利用希望者との橋渡し役として昨年11月、近江八幡商工会議所や地元企業、市民団体などが、任意団体「おうみはちまん町家再生ネットワーク」を設立。メンバーは、空き町家所有者らに利活用の趣旨を理解してもらい、一般貸し出しなどの同意が得られればホームページの物件情報「おうみはちまん町家情報バンク」に登録し、広く情報提供などしている。今のところ賃貸借契約が成立していないが、空き町家現地見学会を開くなど、契約実現に向けて準備を進める。仲介業務は商工会議所不動産部会が担う。

 見学会に参加した東近江市の飲食店を経営する女性(45)も「近江八幡市でも飲食店を開きたく前向きに検討している」、東近江市の男性会社員(26)は「喫茶店を開き、住んでみたい。町家は人が住んでこそ価値がある」と話す。奈良県生駒市の元会社員の男性(47)は「空き町家でパン屋を開きたい。でも修繕費がいくらになるか気になる」と胸の内を明かす。

観光客に空き町家を利用した店の説明をする千賀伸一さん(左端)=近江八幡市で

観光客に空き町家を利用した店の説明をする千賀伸一さん(左端)=近江八幡市で

 近江八幡市桜宮町の服飾デザイナー千賀伸一さん(64)は、京都市在住の知人との個別交渉で、近江八幡市新町の築約150年の空き町家を借りて10月22日、店舗兼ギャラリーをオープンさせた。連日、県内外から大勢の観光客が訪れている。

 千賀さんは「昔からの知り合いのため快く借りることができた。近江商人やヨシに関係する商品を販売しているが、町家利用を通じて大切な景観を守りたい」と語る。

 課題は、空き町家所有者と利用希望者との信頼関係の構築だ。おうみはちまん町家再生ネットワークの青山孝会長(68)=八幡学区まちづくり協議会長=は「活用希望者と所有者との橋渡しは地道に頑張るしかない。両者への情報提供と助言をしっかりやりたい」と意気込んでいる。

 問い合わせは、おうみはちまん町家再生ネットワーク事務局(近江八幡商工会議所内)=電0748(33)4141=へ。

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