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【石川】尾崎紅葉直筆 鏡花の愛蔵品 師匠への敬愛 にじむ掛け軸

ジャンル・エリア : 石川  2010年12月20日

寄贈された尾崎紅葉直筆の掛け軸

寄贈された尾崎紅葉直筆の掛け軸

鏡花記念館で展示

 金沢が生んだ文豪・泉鏡花がかつて愛蔵していた掛け軸「髷(まげ)尽くし」が、金沢市尾張町の泉鏡花記念館に寄贈され、同館で開催中の企画展「旅と鏡花」で展示されている。(今宮久志)

 
 髷尽くしは、女性の髪形約30種が列挙してあり、鏡花の師匠・尾崎紅葉の自筆。「嶋田-高嶋田 中嶋田 つぶし 女夫俵」などと、達筆で記されている。

 詳細な経緯は不明だが、鏡花が所蔵していて「表装もしたのでは」と同館。1939(昭和14)年に鏡花が亡くなった後、後輩の里見●(とん)に贈られた。里見が記した箱書きには「尾崎紅葉筆 泉先生遺愛 文化功労者拝受ニ際シテ 贈花柳章太郎君」とあり、64年に里見から新派の名優・花柳章太郎に移ったことが分かる。

里見●による箱書き=いずれも金沢市の泉鏡花記念館で

里見●による箱書き=いずれも金沢市の泉鏡花記念館で

 しかし、章太郎の死後、掛け軸は転々としたらしく、いつしか金沢市内の旧家へ。寄贈した高田満子さん(80)は「今日まで金沢で元気に過ごしてこられたことへの感謝として、記念館へ贈ることにしました」と話している。

 同館の穴倉玉日学芸員は、掛け軸について「紅葉への鏡花の敬愛、あるいは鏡花に対する里見や章太郎の思い入れを示しており、貴重な資料」と評価する。さらに「文字は判読できるが、記されているような髪形は今では伝えられておらず、今後の研究課題」と説明している。

 企画展は来年2月27日まで。

 ●=弓偏に享

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