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【滋賀】「長栄座」8月復活 県立文化産業交流会館内に

ジャンル・エリア : 近畿  2011年06月07日

県内で初めて復元される明治時代の芝居小屋「長栄座」(県立文化産業交流会館提供)

県内で初めて復元される明治時代の芝居小屋「長栄座」(県立文化産業交流会館提供)

 県文化振興事業団(大津市)が指定管理する米原市下多良の県立文化産業交流会館内に、8月6、7両日限定で、明治の芝居小屋「長栄座」が復活する。演目のテーマは、天災が作品の根底にあると言われる鴨長明の「方丈記」から着想した「無常観」。東日本大震災に見舞われたいま、人間の本質に迫る。

 
 新しい長栄座は木造作り。4人が座れる升席をはじめ桟敷席、いす席、車いす席を含めて708席を用意。彦根市教育委員会が所蔵する長栄座の画や文献、写真などを元に再現し、舞台の上手と下手に本花道、仮花道を作る。

 長栄座の入り口付近には、地元の伝統産業品の販売や展示会なども開く予定。当時の文化を味わってもらいたいと、芝居小屋内での飲食もできる。芝居小屋が再現されるのは県内で初めてという。

 公演では、人間国宝の常磐津一巴太夫(いちはだゆう)氏(80)が子宝三番叟(さんばそう)の祝典演奏で幕開け。親子の無情を描いた作品などを長唄や箏曲、上方落語など邦楽・邦舞で楽しめる。

 常磐津氏は「芝居小屋は大好きで楽しみ」と意欲満々。芸術監督の柴田英杞さん(51)が「混迷する日本を再考する一助にしようと」と大震災前に企画。疫病や大火、地震などの天災を経験した鴨長明の思想を下敷きにし震災が起きた今、「予言めいたものを作ってしまった。人の世のはかなさとともに、伝統を引き継いできた人間の強さも感じてほしい」と呼び掛ける。

 升席は2万4000円(2日目は2万円)、1等席は4000円(同3000円)、2等席は3000円(同2000円)。

 申し込み、問い合わせは、県立文化産業交流会館=電0749(52)5111=へ。申し込みは、しが県民芸術創造館=電077(564)5815=などでも受け付ける。 (木原育子)

【長栄座】
 1883(明治16)年に長浜市元浜町に建てられた。江戸時代末期~明治初期に日本が西洋文化の波に押され、古来の文化が消えていくことを憂い、全国で芝居小屋運動が激化。県内では、湖北文化の発信基地として、芝居小屋復活の象徴的存在だった。昭和に入り、映画館に改装。当時の長栄座の設計図などは残っていないが、絵や写真などが残っている。

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