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【静岡】乗客減る駿河湾フェリーに行政が支援 伊豆半島3市町が運賃割引導入

ジャンル・エリア : 静岡  2011年07月11日

行政による割引制度が導入された「駿河湾フェリー」=静岡市の清水港で

行政による割引制度が導入された「駿河湾フェリー」=静岡市の清水港で

 伊豆半島西部にある伊豆市、西伊豆町、松崎町が今年夏、土肥港(伊豆市)と清水港(静岡市)を結ぶ「駿河湾フェリー」の運賃割引制度を導入した。割引は、地元住民向けと、宿泊を伴う観光客向けの2本建て。不況や伊豆観光の地盤沈下で乗船客数が減少するなか、観光と生活の両面から需要を掘り起こす狙いだ。 (三島通信部・酒井健)

 
 7月上旬、土肥港発の平日午後の便。観光バスや自家用車の家族連れ、自転車持ち込みのツーリング客など、観光客の姿が目立つ。長野市の団体ツアーの女性バスガイドは「長野県民は、海を見るのが好きなので」と、海路を選んで伊豆半島に来た理由を説明する。

 仕事での利用者も。西伊豆町の特別養護老人ホームからの往診帰りという藤枝市の男性医師(70)は「西伊豆町は医師が少なく特養まで手が回らない。陸路は遠いので、もう10年以上、フェリーで通っている」と話した。

 運航会社のエスパルスドリームフェリー(静岡市)によると、乗船客数は2008年のリーマン・ショック以降の不況で年々減少。07年度の約28万1000人から、10年度は約17万4000人と激減した。原油高も追い打ちを掛け、05年度以降、赤字経営が続いている。本年度は東日本大震災の影響で、さらに乗客数が減ることが懸念されている。

 伊豆半島西部の3市町と県、同社が打開策として打ち出したのが、行政の助成による運賃割引制度だ。

 3市町とも初の試みとなる住民向け運賃割引は、市町別に7月中旬までにスタート。割引額は、自動車輸送料金が1台(運転手1人の旅客運賃込み)につき、西伊豆、松崎の両町が700円、伊豆市が2500円。運転手以外の旅客運賃は3市町とも、大人1人につき700円の割引となる。

 例えば、伊豆市民の大人2人が、普通乗用車1台で乗船する場合、通常料金の8200円が、5000円になる。

 6月1日から助成券の発行を始めた西伊豆町では7日時点で、町民222人が申し込み、計2045枚を発行。町企画調整課は「想定よりも多い」と手応えを口にする。

 一方、観光客向け乗船補助は、県内のホテル・旅館の宿泊客が清水港発の便に乗る際、県が9月末まで、自動車輸送料金の半額を負担。

 土肥港発の場合、伊豆市か松崎町に宿泊した観光客の乗用車1台(運転手含む)につき、伊豆市では2500円、松崎町は700円を負担。運転手以外は、両市町とも大人1人700円を助成する。3市町とも、利用総額が予算額(3市町合わせて630万円)に達した時点で、今季の助成を終える。

 民間フェリーの利用に対し、行政が助成金を出す理由は「震災後の観光不況対策」(県観光振興課)と「海上交通の活性化」(地元市町)。伊豆半島の住民に静岡市の店舗やレジャー施設を利用してもらう一方、県中西部や中部地方から伊豆半島への観光客を増やす狙いだ。伊豆市観光交流課の金刺重哉主幹は「駿河湾を横断する唯一の定期航路で、観光資源としても、交流の手段としても重要。利用者の層を広げ、航路を維持したい」と意気込んでいる。

■駿河湾フェリー 物流大手の鈴与と静岡鉄道が出資する「エスパルスドリームフェリー」(旧静岡観光汽船、いずれも静岡市)が2002年から、清水港(静岡市)-土肥港(伊豆市)間で運航しているカーフェリー。現在は「富士」(522人乗り、1554トン)1隻が、1日4往復している。

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