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【石川】生活に輪島塗取り戻す 漆芸美術館

ジャンル・エリア : 石川  2011年10月20日

来館者に展示品の説明をする四柳館長(左)=輪島市水守町で

来館者に展示品の説明をする四柳館長(左)=輪島市水守町で

23日まで特別展 館長が思い語る

 輪島市水守町の県輪島漆芸美術館で開かれている開館20周年記念特別展「漆・悠久の系譜-縄文から輪島塗、合鹿椀(ごうろくわん)」が、23日の会期末までわずかとなり、四柳嘉章館長は「漆文化の原点を見つけ出してほしい」と来館を呼びかける。(小塚泉)

 
 四柳館長は「生活に輪島塗を取り戻したい。今、美術館の力量が問われている」といい、その思いを特別展に込めた。「9000年の歴史がある漆文化の原点に戻って学ぶことから始めないといけない。漆ルネサンスです」と強調する。

 輪島塗の現状を見た時「美術工芸品に走って生活から漆器が離れてしまった」と厳しい認識を持つ。今回、鎌倉時代の漆絵を再現した椿(つばき)皿を提案し、販売もしている。一部は売り切れ間近。自宅では江戸時代のお椀を使っている。「どのように劣化していくのか」を実験するためだという。お椀は今回展示もしている。

 特別展では縄文後期から現代の作品まで220点余りを展示する。合鹿椀は、高台が高く大ぶりな漆器。昭和初めごろまでに廃れたが、「奇をてらわない能登人の精神性を表し、能登が誇るべきもの」と高く評価。一方で「似て非なる合鹿椀が横行し混乱が生じている」と憂い、科学分析をして違いを示した。

 県外から鑑賞に訪れる人が多く、図録の売れ行きが伸びているという。四柳館長は「歴史や芸術、地場産業…。漆はすべてを含む総合科学であり、皆が声をあげればよみがえる。失われた日本人の基層文化を取り戻したい」と思いを語る。

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