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【三重】夫が遺した郷土びな125組 松阪の平さん、自宅で公開

ジャンル・エリア : 三重  2012年02月29日

平まさるさんがのこした郷土びなを、いとおしげに見る妻の好子さん=松阪市春日町で

平まさるさんがのこした郷土びなを、いとおしげに見る妻の好子さん=松阪市春日町で

 昨年、病で亡くなったアマチュア写真家の平まさるさん(享年84歳)が全国から集めた郷土玩具のおひなさまが、松阪市春日町の自宅で公開されている。10年ほど前から始め、ことしも、妻の好子さん(77)が飾った。各地の土地柄がにじむ温かみのあるひなが部屋一面に並んでいる。3月31日まで。

 
 平さんは中学や高校の教員を務めながら、全国を旅して趣味の写真の腕を磨いた。郷土玩具のおひなさまに引かれたのも撮影旅行がきっかけ。50年前、奈良の手向山(たむけやま)神社を訪れた時、神社の奥に土鈴の比翼びなが見えた。「“暗い所に、白い顔と緑の着物が引き立って、それが良かった”と何度も話してました」。好子さんは振り返る。

 以来、旅行のたびに土産物屋や専門の工房を訪ねたり、職人に注文したりして郷土びなを集め続け、青森から沖縄までの125組をそろえた。手のひらサイズのものが多く、焼き物、墨、竹、和紙などさまざまな素材が使われ、古くから地域に根付き親しまれてきた、ほのぼのとしたぬくもりが、平さんの心をつかんでいた。

 10年前ほどから近所の人にも見てもらおうと公開し、平さん自ら解説した。しかし肝臓がんを患って、晩年は起き上がることも難しくなり、妻の好子さんが代役に。夫が一生懸命説明する姿を見ているうちに、好子さんも、自然と知識が身に付いていた。

 闘病生活を経て昨年6月、平さんは帰らぬ人に。好子さんの気持ちは沈み、ことしはおひなさまを出すのをやめようかと思った。だが、「多くの人に見てもらえれば、主人はきっと喜ぶ。自分が生きている限り続けよう」と思い直した。生前、なぜ郷土びなを集めるのかを聞いたときに、「お金もないのになんで集めるんやろなあ」と答えた、ひょうひょうとした笑顔を思い出しながら。

 ことしも県内外から多くの人が見にくる。「いろんな人に会え、つながりができて楽しい。主人のおかげですわ」と、好子さんは思い出が詰まった郷土びなの部屋で、訪れる人を待っている。

 見学の希望は平好子さん=電0598(21)7084=へ。 (平野梓)

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