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映画「わが母の記」ロケ地 静岡県伊豆市

ジャンル・エリア : 静岡  2012年05月17日

天城山の湧き水で育つ筏場のわさび田

天城山の湧き水で育つ筏場のわさび田

緑美しいワサビの棚田

 家族愛を描いた映画「わが母の記」(原田真人監督、公開中)のロケ地、伊豆半島を訪ねた。原作者・井上靖氏(1907~91年)の故郷は、映像にぬくもりを添える緑豊かな景色に包まれていた。

 静岡県伊豆市北部の温泉地・修善寺から車で約30分。滑沢(なめさわ)渓谷では、主人公の伊上が母から手渡されたワサビを持ちバスに乗るシーンなどが撮影された。渓谷の清流からほとばしるマイナスイオンを浴びながら歩いていると、中高年夫婦の姿も。散歩道の先には、天城のシンボル、太郎杉(樹齢約400年)が堂々と立っていた。

 伊上が持つワサビは、「筏場(いかだば)のわさび田」で収穫されたもの。天城山からの湧き水で1年中、緑の葉が茂っている。石積みで築かれた棚田式のワサビ田を見るのは初めてだったが、降りだした雨のおかげで棚田にはモヤが立ち込めた。「もっと奥まで緑のじゅうたんが広がっているんですけどね」という同市観光交流課職員の説明に想像を膨らませるだけとなったが、新鮮なワサビをすり下ろしてソフトクリームに添えた「わさびソフト」がモヤモヤ感を晴らしてくれた。

 昭和の初めから文人墨客を迎えた旅館「落合楼村上」は、本谷(ほんたに)川と猫越(ねっこ)川が落ち合って狩野川になる起点に立つ。本谷、猫越両川には女橋、男橋があり、「出会い」という言葉に夢とロマンを感じさせる場所だ。

生ワサビ付きわさびソフト

生ワサビ付きわさびソフト

 伊豆半島の根っこ、JR沼津駅前にひっそりと立つ井上氏の文学碑。「若(も)し原子力より大きい力を持つものがあるとすれば、それは愛だ。愛の力以外にはない」の碑文が胸にしみた。

 ▼メモ 修善寺はJR三島駅から伊豆箱根鉄道で約30分。車は約45分。伊豆市の新グルメ「イズシカ丼」は伊豆産の鹿肉を使った丼で、市内22店舗で味わえる。鹿肉は脂肪分が少なく高タンパク、低カロリーで鉄分豊富という。「わさびソフト」は「道の駅天城越え」で販売。1個300円。伊豆市役所観光交流課(電)0558(72)9911、静岡県名古屋観光案内所(電)052(262)7471

(中日新聞夕刊 2012年5月17日掲載)

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