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【石川】アマ考古学者が愛した石器遺贈 故堀本さん「道具通じ往時の人思う」

ジャンル・エリア : 石川  2012年06月14日

故堀本さんが集めた先史時代の石製品=金沢市出羽町の県立歴史博物館で

故堀本さんが集めた先史時代の石製品=金沢市出羽町の県立歴史博物館で

県内の遺跡巡り収集
県立歴史博物館で展示

 県内の遺跡をつぶさに訪ね歩き、縄文から古墳時代までの石器や石の装身具を集め続けた七尾市出身の堀本松雄さん(1926~2012年)のコレクション展が、金沢市出羽町の県立歴史博物館で開かれている。1月に86歳で死去。飽くなき探求心から集めた石器を中心に1800点を超える品がのこされ、遺族が歴史博物館に寄贈。今回はうち900点を展示した。7月11日まで。(日下部弘太)

 
 小学生のときに化石採取に行って歴史に興味を持ち、石器を探し始めた。長男吉明さん(60)=金沢市鈴見台三=によると、おけ作りや製材業、機械加工といった仕事の傍ら、各地の遺跡を歩いた。富山県内にも足を延ばし、畑や林になっている場所へも。特に土砂降りで表面の土が流れた後によく出掛けた。探求は亡くなる半年前まで続き、直径2ミリほどしかないガラス玉まで、丹念に拾い集めた。

 展示品の中でも縄文時代の装身具は貴重で、「C」の形をした石灰岩の耳飾り、翡翠(ひすい)製の首飾りの玉などがある。石を細長く削って中を丸くくり抜き、つなげて首飾りにした「管玉(くだたま)」は、技術の高さをうかがわせる。「気に入った石は風呂や寝床の中でも見ていた」と吉明さん。

故堀本松雄さん=吉明さん提供

故堀本松雄さん=吉明さん提供

 学芸員によると、大半を占める石の矢尻やナイフ、やり先も考古資料として価値が高い。堀本さんは石器の1つ1つに発見場所の遺跡名を記していた。それらの石質を調べることで、当時の交易の様子を知る手掛かりになるという。

 吉明さんは10年ほど前、「何で石器を集めるのか」と尋ねたことがあった。父はうれしそうに答えた。「矢尻1つでも、削った人がいて、家族を守っとったはずや。獲物を捕って帰ったのか。何を思ってコツコツ削って、どんな会話を交わしたか。それがおもしろい」。想像力の翼を広げて、遺跡を巡った堀本さん。石の道具や飾りを通して使った人たちの笑顔や涙を見つめていた。

 会期中無休。入館料は一般250円、大学生と65歳以上200円、高校生以下無料。問い合わせは、同館=電076(262)3236=へ。

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