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【滋賀】石工職人と協力、アートに 湖南の彫刻家・深田さん

ジャンル・エリア : 近畿  2012年06月26日

石工職人と協力して水と大地をイメージしてつくった作品=守山市三宅町の市民ホールで

石工職人と協力して水と大地をイメージしてつくった作品=守山市三宅町の市民ホールで

 戦国時代から江戸時代にかけて活躍した大津市坂本の「穴太(あのう)衆」の系譜を受け継ぐ石工職人たちの技を生かした現代アートが、守山市三宅町の市民ホールで展示されている。手掛けたのは湖南市平松の彫刻家深田充夫さん(56)で、石とガラスで水と大地を表現している。7月1日まで。

 
 加工していない丸石が高さ90センチ、奥行き4.5メートル、幅2.5メートルにわたって積まれている。すぐそばには、横1.8メートル、縦95センチ、厚さ1センチのガラス4枚が、積んだ石に対して垂直に立てられている。ガラスは水、石垣は大地を象徴し、大地に向かって水が勢いよく流れる様を形にした。多賀町の鍾乳洞「河内風穴(かわちのふうけつ)」で録音した地下を流れる水の音が響く。

 昨年6月に河内風穴を訪れた際、水の音を聞いて、地の底を貫く水に命の営みを感じ、作品を思い描いた。

 大地を表現するため、粟田建設(大津市坂本)の15代目粟田純徳さん(43)に石積みを依頼。粟田建設は、穴太衆と言われた石工職人の技術を唯一受け継いでいる。穴太衆は戦国武将織田信長の命で安土城の造営にたずさわった。

 穴太衆の持つ穴太積みの技術は、セメントや接着剤などを使わずに加工していない石を組み合わせ、強固な石垣を造る。その技術に大地のイメージを重ねた。粟田さんは「芸術家と仕事をするのは初めて。展示が終わったら崩してしまうのは悲しいけれど、石積みの技術を間近で見てもらえればうれしい」と話している。深田さんは「高い技術があるのに、時代が変わって衰退していく点は職人も芸術家も同じ。その技術を作品の中で現代アートとして表現できないかと思った。日本人にしかできない作品になった」と話した。

(猪飼なつみ)

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