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船で伊勢参り 三重県伊勢市

ジャンル・エリア : 三重  2012年07月12日

勢田川をゆっくり進む木造和船「みずき」

勢田川をゆっくり進む木造和船「みずき」

江戸のにぎわい思う

 江戸時代、三河方面から伊勢へ物資の輸送や参宮でにぎわった三重県伊勢市の勢田川をたどり、お伊勢さん(外宮)に向かった。勢田川は伊勢の町中を流れる全長6.9キロの短い川。木造和船「みずき」で、“船駅”の神社(かみやしろ)・海の駅から河崎・川の駅まで(約3.7キロ)の船旅を楽しんだ。

 2005年に就航したみずきの船名は、市が公募した。前年のアテネ五輪で金メダルに輝いた同市出身のマラソン選手、野口みずきさんにちなんで採用された。

 沖を通る千石船の風待ち港として栄えた神社港を出発。座席の位置は低く、チャポチャポと水の音が耳元に届く。突然、魚が跳ねた。あちこちで。「ボラだよ。この川には伊勢湾の海水も入ってくるから」と、航路を運営する神社みなとまち再生グループ理事長の中村清さん。川沿いには切り妻屋根の町家や蔵が続き、土蔵には川から直接荷物が積み降ろしできるよう、川側にも出入り口があったという。

江戸時代の面影が残る二軒茶屋餅角屋本店

江戸時代の面影が残る二軒茶屋餅角屋本店

 約20分で途中の二軒茶屋・川の駅に到着した。創業400年の二軒茶屋餅角屋本店は、文字通り道の角に立つ。どっしりとした店構えには風格が漂う。「地元の伊勢より三河の方が知り合いが多い」という店主の言葉には、勢田川のにぎわいを支えてきた自負がにじむ。ちょっと一休みして名物の餅をいただく。皮は柔らかく、あんこはあっさりめ。再び船に乗り約10分で終点の河崎へ。

 お伊勢さんの台所として栄えた河崎の街並みを散策しながら、外宮へ向かう。かつてのにぎわいはなくなったが、歴史を支える人の心意気が、お伊勢さんを支えている。

 ▼メモ 外宮へは、JR・近鉄伊勢市駅から徒歩5分。車は伊勢自動車道伊勢西ICから5分。神社港へは伊勢市駅前から路線バス。「勢田川船参宮」は11月までの土日祝のみ定期運航。料金は神社(前10時発)-二軒茶屋(30分停泊)-河崎(前11時着)で600円。神社港へ戻る周遊券は1000円。伊勢商工会議所企画振興課(電)0596(25)5153

(中日新聞夕刊 2012年7月12日掲載)

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