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【岐阜】絵と文でシベリア抑留体験 小岩さん、初の遺作展

ジャンル・エリア : 岐阜  2012年08月14日

強制労働の体験を絵本風にまとめた冊子などが並ぶ小岩さんの遺作展=揖斐川町上南方の揖斐川歴史民俗資料館で

強制労働の体験を絵本風にまとめた冊子などが並ぶ小岩さんの遺作展=揖斐川町上南方の揖斐川歴史民俗資料館で

 揖斐川町上野の画家、著述家で、シベリア抑留を体験した故小岩道男さん(1918~2010)の遺作展が26日まで、同町上南方の揖斐川歴史民俗資料館で開かれている。本格的な個展は生前も含めて初めて。強制労働の体験を絵本風にまとめた冊子など約70点が展示されている。

 
 小岩さんは1939年、陸軍騎兵部隊に入隊。中国で転戦し、42年に除隊し満州国警察に入った。終戦後は東シベリア南部のチェルノスカヤなどで4年余り過ごし、49年に帰国。戦後は看板店に勤め、退職後は絵を描いたり、戦争の語り部を務めたりした。

 帰国直後にまとめた「イラストシベリア抑留記」では、コルホーズ(ソ連の集団農場)のイモ植えの様子を文と水彩画で解説。3人1組で黙々と植える作業員を描き「一日やつてゐると相当につかれる 『モウ少しだ 頑張らうぜ!』」と心境を言葉に表した。

 対照的に効果的な挿絵を入れたのが、雪ふぶくハバロフスクをダモイ(帰還)列車で通過する作品。「ハバロフスクもさ様(よう)なら」と短文を添えただけで、笑顔で手を振る抑留者の姿に帰国への期待をにじませた。

 生前に「戦争は絶対やったらいかん」と強い口調で周囲に訴えていた小岩さん。妻しげさん(88)は「(抑留から)とにかく帰ってこられたらいいと思っていた。(その時代を描いた作品が)見てもらえるなんてうれしい」と喜ぶ。

 遺作展の話を家族に持ちかけた高橋宏之館長(69)は「これらの貴重な歴史資料は今後さらに価値が高まるはず。作品や精力的な創作活動の足跡を感じ取ってもらえたら」と語る。

 館内では別の企画展「戦争とふるさとの暮らし」も開催中(9月2日まで)。引揚証明書や著書など小岩さんに関連する展示品も十数点並ぶ。

 入館料は高校生以上100円、小中学生50円、月曜休み。問い合わせは、同館=電0585(22)5373。

 (加藤拓)

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