【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【長野】小澤さん不在のSKF、新路線を開拓

【長野】小澤さん不在のSKF、新路線を開拓

ジャンル・エリア : 甲信越  2012年08月21日

カーテンコールで役者とともにあいさつする山田さん(前列右から2人目)。後列はサイトウ・キネン・オーケストラ=松本市のまつもと市民芸術館で

カーテンコールで役者とともにあいさつする山田さん(前列右から2人目)。後列はサイトウ・キネン・オーケストラ=松本市のまつもと市民芸術館で

 松本市で開催中の音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(SKF)は9月9日までの会期の中盤を迎えている。20周年の今年は総監督の小澤征爾さん(76)が休養で初めてタクトを振らないSKF。19日のオペラ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」は、抜てきされた若手指揮者の山田和樹さん(33)が見事期待に応えたが、小澤さん不在の影響も各所にうかがえる。

 
 主催のSKF実行委は今年のテーマを「若さ」と「進化」とし、新路線の開拓に取り組んだ。その象徴ともいえるのが山田さんだ。

 公演前、大役の重圧があるとしながらも「独自性も出したい」と語っていた山田さん。19日はオーケストラ、合唱団、役者が一体となった舞台を完璧に統率し、観客から「今まで見たSKFの公演の中では1番だった」との声も聞かれた。

 だが小澤さんの存在の大きさをうかがわせる一幕もあった。遅れて松本入りした17日。小澤さんはオペラのリハーサル公演後、SKF松本合唱団を「コーラスがすごく良かった」と激励した。

 合唱団を指導する中村雅夫さん(53)=松川村=は「小澤さんにお褒めの言葉をかけていただいたことで、団員の士気は一層高まった」と話す。小澤さんがSKFの精神的支柱の役割を担っていることを感じさせた。

 小澤さん「不在」の影響が最も出ているのが興行面。19日のオペラは観客1400人で、わずかに満員に届かなかった。昨年は小澤さんが指揮したオペラは前売りの段階でチケットが完売していたのに対し、今年は残りの26、29日も若干の空席がある。

 それでも実行委の麻原恒太郎事務局長は「小澤さんが指揮を振らないのを承知でこれだけ多くの方が見に来られるのはありがたい」と胸を張る。試験的な意味も込められた今年のSKFは、将来の展望を考える上では明るい材料とみている。

 (佐野公彦)

旅コラム
国内
海外