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【三重】子どもの学習の場にも 尾鷲の駄菓子屋さん

ジャンル・エリア : 三重  2012年08月28日

所狭しと商品が並ぶ店内で、子どもに笑顔で話し掛ける北村由紀江さん(右)=尾鷲市新田町で

所狭しと商品が並ぶ店内で、子どもに笑顔で話し掛ける北村由紀江さん(右)=尾鷲市新田町で

 かつてはどこの地域にもあり、子どもたちの気軽な遊び場だった駄菓子屋さん。尾鷲市新田町の「北村酒店&駄菓子屋」は、充実した品ぞろえに「店のおばちゃん」が優しく話し掛けてくれる、昭和の雰囲気の店で、地元の子どもたちのほか、市外からわざわざ訪れる家族連れも多い。

 
 もともとは北村道彦さん(59)由紀江さん(57)夫婦が営む酒専門店だったが、2005年1月に衣替えし、駄菓子屋を中心にした。

 元保育士の由紀江さんは子どもを相手にした商売を以前から考え、駄菓子を置いたコーナーを設けたこともあった。しかし、賞味期限の管理の問題などからうまくいかず、2人の子どもが独立したのを機に本格的に取り組むことにした。

 心掛けたのは、できるだけ多くの商品を新鮮な状態で並べること。小さな子どもたちが好むくじで当たる商品は、クレーンゲームやガチャガチャのおもちゃを買って取り入れるなど種類を増やし、商品の陳列台を低くするなど、徹底して子ども目線を心掛けた。

 子どもたちに買い物の方法と楽しみを覚えてもらおうと、小さなバスケットを置き、自由に買ってもらう。10~30円の菓子を多くし、計算しやすいように消費税は取らない。「あと何個買えるかな」と由紀江さんがアドバイスすることもあり、小学校低学年の体験学習でも毎年利用されている。

 訪れる子どもたちには、あいさつや正しい言葉遣いなどを指導し、常連の子の悩み事の相談にも乗る。一方で、万引や乱暴な行為をした子は、謝りに来るまで出入り禁止にすることも。

 「いい店は宣伝しなくても客が集まる」という道彦さんの信念で宣伝は一切しないが、口コミで評判が広がり、客は紀北町から新宮市までと幅広い。4人の子どもを連れて訪れていた尾鷲市内の主婦(34)は「お金の使い方の練習になるので最近よく来ます」、保育園児のころから通う尾鷲小6年村田陵紀君(12)は「昔はくじが楽しみでよくやった。こんな店がもっとあるといいと思う」と話す。

 由紀江さんは「子どもは飽きやすいので、常に新しい物を取り入れるように心掛けています。子どもたちには、買い物や会話を通じて社会性を身に付けてほしい」と、子どもに優しく語り掛けている。

 (中西康)

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