ジャンル・エリア : 愛知 2012年10月09日

地方名を持つ海の生き物を集めた企画展「がまごおりほうげんすいぞっかん」=蒲郡市竹島水族館で
マアナゴは「めじ」、イシガニは「もがに」。漁港で水揚げされる海の生き物を地方名と三河弁で解説する企画展「がまごおり ほうげん すいぞっかん」が31日まで、蒲郡市竹島水族館で開かれている。地元ならではの食べ方なども紹介。企画した地元出身の飼育員のアイデアが効いている。
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蒲郡市形原町の飼育員桑山真次さん(33)が、県外出身の飼育員との会話の中で、三河弁の方言が通じなかったことをヒントに考案。地元でおなじみの魚介の中から、地方名を持ち、由来などが面白い7種類15匹を集め、三河弁の解説ボードとともに展示した。
形原地区などの底引き網漁船が渥美半島沖などの深海で捕ってくるタカアシガニは、甲羅の模様が落ち武者のように見えることから地元では「へいけ」と呼ばれ、甲羅に歌舞伎役者のような顔を描いて魔よけにする風習を紹介。

三河弁でタカアシガニを紹介する解説ボード=蒲郡市竹島水族館で
干物にしてよく食べる三河湾産の「めじ」は「西浦の海岸なんかじゃあ、夏の大潮ん時に行くと石のあいさにかくれとるやつが捕まえれるだにん」と生粋の地元言葉で説明した。地元スーパーに並ぶこともあるタイに似た魚「ぱん」「ぱんきぃ」はハシキンメが正式和名。丸みを帯びた形がフライパンに似ていることから、そう呼ばれるようになったという。
桑山さんは「空揚げにして地元でよく食べる『メヒカリ』も実は地方名。正式な和名よりも通っていたりもする。食べ方なども独特で、他の地域との違いを知るのも面白い」と話している。火曜休館だが、9日は無料開館する。
(細井卓也)