【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【岐阜】深洞湿原、そのまま残る自然魅力

【岐阜】深洞湿原、そのまま残る自然魅力

ジャンル・エリア : 岐阜  2012年10月16日

樹齢400年近いトウヒの幹に触れるツアー参加者ら=飛騨市神岡町と高山市上宝町にまたがる深洞湿原で

樹齢400年近いトウヒの幹に触れるツアー参加者ら=飛騨市神岡町と高山市上宝町にまたがる深洞湿原で

 飛騨市神岡町と高山市上宝町にまたがる深洞(ふかど)湿原。湿地だけでなく豊かな針葉樹の原生林が見られ、地域の有力な観光資源として注目される一方、湿原の乾燥化を防いだり、希少な動植物を守るための対策に手が回らず年間の入山者は限られている。地元の散策ツアーに同行し、湿原の魅力に触れた。

 
 標高1500メートルにある深洞湿原は昨年、県が指定する「岐阜の宝もの」に選ばれた。神岡町の「天空の牧場 山之村」と飛騨市観光協会ブラッシュアップ事業部が2年前から、年数回のツアーを企画。ガイドの案内で年間70人ほどを受け入れている。13日は、県内外から訪れた15人を事業部の影山節子さん(61)らが案内した。

 牧場から登山道を車で登り散策路へ。トウヒ、クロベなど高山性の針葉樹がうっそうと茂り、紅葉したカエデやツタウルシが秋の深まりを感じさせた。湿原にはミズバショウの越冬芽も顔を出し、多様な植物と奥行きある風景が飽きさせない。

 岐阜市鷺山から初めて訪れた粕谷豊樹さん(70)は「森林の中に湿原がある」と独特な景観に驚いた様子。妻繁子さん(64)は「観光地化した尾瀬のミズバショウと違い、自然がそのまま残っている感じで、来て良かった」。

 景観が魅力に富む一方、希少な動植物が荒らされる被害も頻発し、環境保全は大きな課題になっている。深洞湿原は国のレッドデータブックで「絶滅危惧(きぐ)2類」に分類されるギフチョウの生息域だが、許可なく入り込んだ人が採集しインターネット上で販売する事態も起きたという。湿原が乾燥するのを防ぐため大勢の入山受け入れは難しく、市が3000万円を投じて整備した木道も十分に生かされていない。

 影山さんは「地域の人が魅力に気付き、地元でパトロールもやって活用できるのが望ましい」と話す。当面は環境保全を優先し、需要が高まればツアーを増やすことも検討したいという。

 (島将之)

旅コラム
国内
海外