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【長野】大正期の建物改装し古書店 松本

ジャンル・エリア : 甲信越  2013年08月09日

6000冊の古本に囲まれた中、仕事に励む渡辺さん=松本市大手の想雲堂で

6000冊の古本に囲まれた中、仕事に励む渡辺さん=松本市大手の想雲堂で

 大正時代の建物を改装し、喫茶店を兼ねる古書店「想雲堂」が松本市大手にオープンし、古本好きの人たちの静かな人気を集めている。店主の渡辺宏さん(41)は「古本屋には個性がある。古い本も新しい本もあるところが魅力」と語り、33平方メートルの空間にこれまで集めた6000冊と夢を詰め込んだ。

 甲府市出身の渡辺さんは大学院では民俗学を専攻。全国を旅して回った民俗学者の宮本常一(1907~81年)にあこがれ、五島列島や佐渡などを訪れたこともある。その後、広告代理店に就職して7年前に転勤で松本に来た。

 昨年9月に「40歳は失敗しても再挑戦できる年齢」との思いから退職。本好きだったこともあり、昔ながらの街並みが残る松本で古書店を開くことに。100年近く前に建てられた鉄筋造りの外観をクリーム色に改装するなどした。大正の建物を利用したのは古本との相性が良く客にメッセージを伝えやすいからだ。

 オープンはことし6月。壁際の木枠の本棚には、歴史の本や旅雑誌、小説などが所狭しと並ぶ。安曇野出身の文豪臼井吉見の代表作で1974(昭和49)年に発行された「安曇野」や、ロシアの小説家ドストエフスキーの「罪と罰」「賭博者」の2作が入った57(昭和32)年発行のハードカバー版などがある。

 心掛けているのは快適な読書空間をつくること。店内には他にもテーブル席やカウンターがあり、コーヒーや酒などを口にしながら古本を楽しめる。店の名前は「とらえどころのない雲と同じように、本も知識も網羅できるわけではないが、追い求めてしまう」との考えを込めた。

 「あったら良いなと自分が考えていた古本屋のイメージを具現化した」と語る渡辺さん。今後については「本を通して周りの店や人を巻き込んで、街づくりの面で何かできれば」と意気込んだ。問い合わせは想雲堂=電0263(87)8422=へ。

 (勝股大輝)

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