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冬の古都 京都市

ジャンル・エリア : 近畿  2013年01月24日

入館者に中央のスペンサー銃を説明する霊山歴史館の学芸員

入館者に中央のスペンサー銃を説明する霊山歴史館の学芸員

八重の人生たどる

 この冬、明治維新前後の動乱期を不屈の精神力で駆け抜けた一人の“烈婦”が京都を熱くしている。

 今年の「京の冬の旅」キャンペーンの目玉は、大河ドラマ「八重の桜」にちなみ、京都で波乱に満ちた第2の人生を送った幕末のジャンヌ・ダルクこと新島八重(1845~1932年)だ。

 八重の素顔を知りたくて、JR京都駅烏丸口から定期観光バス「うるわしコース」(3月18日まで)に乗車。近代日本へかじを切る節目の150年ほど前にタイムスリップする旅に出かけた。

 京の街を見下ろす東山三十六峰の中央に位置する霊山(りょうぜん)。その麓には清水寺や東山のシンボル、八坂の塔など京風情が色濃く残り、坂本竜馬ら幕末の志士を慰霊する聖地にもなっている。「維新の道」を上っていくと、周囲の景観に溶け込む幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」に迎えられた。

 通年特別展「会津の武士道」の第1期は「八重の時代」(5月6日まで)。八重が戊辰(ぼしん)戦争で鶴ケ城に立てこもり新政府軍と戦った際に手にしたスペンサー銃と同型の銃をはじめ、同志社大の礎をつくった新島襄との新婚時代の写真など、貴重な資料で86年の生涯を知ることができる。

 結婚後も「ならぬことはならぬものです」の会津魂で個性を発揮した八重。和洋折衷の身なりで夫を「ジョー」と呼び捨てにする奔放さに、同大在学中の徳富蘇峰は「われわれの眼前においてあまりになれなれしきことをして、しゃくにさわった」と酷評。学生の間ではえたいの知れない妖怪「鵺(ぬえ)」のあだ名で呼ばれたという。

 「八重は周囲から悪妻とみられていたようですが、襄は米国の知人にあてた手紙に『決して美人ではありませんが、美しい行いをする人(ハンサムウーマン)です』と書いています」と、同館学芸課長の木村幸比古さん(64)が教えてくれた。

大河ドラマにちなみ創作された和菓子「八重桜」

大河ドラマにちなみ創作された和菓子「八重桜」

 創業250年の和菓子店「俵屋吉富」で淡いピンクの誂(あつら)え菓子「八重桜」の製作実演を見た後、京都御所近くの「新島旧邸」へ。外観はバルコニーのあるコロニアル様式で、同志社キャラクター「八重さん」グッズもお目見えした。

 旅を締めくくるのは、京都守護職を命じられた会津藩主松平容保(かたもり)が本陣を構えた金戒(こんかい)光明寺。八重が鶴ケ城の落城前夜、城壁に無念の思いを書き付けた和歌を写した直筆の書など会津藩ゆかりの寺宝が公開され、古都が抱える歴史の奥深さを伝えている。

 ▼メモ 第47回「京の冬の旅」キャンペーンは3月まで開催。主な内容は特別コース仕立ての定期観光バス(「うるわしコース」など4コース)と、門跡寺院や尼寺を中心にした14カ寺の非公開文化財特別公開。大河ドラマ「八重の桜」放映記念として、主人公の新島八重ゆかりの寺や旧宅、品々などを中心に企画されている。定期観光バス予約センター(電)075(672)2100、寺院の特別公開日時に関する最新情報は京都市観光協会=(電)075(752)7070=のホームページで随時更新。

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