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【長野】「足尾銅山鉱毒」避難民描く 小口一郎の版画展

ジャンル・エリア : 甲信越  2013年02月26日

故郷から避難する人々を描いた小口一郎の版画作品が並ぶ会場=長野市川中島町今井の「ひとミュージアム上野誠版画館」で

故郷から避難する人々を描いた小口一郎の版画作品が並ぶ会場=長野市川中島町今井の「ひとミュージアム上野誠版画館」で

 日本で最初の公害と言われている栃木県の「足尾銅山鉱毒事件」で、故郷を奪われた人々の姿を描いた版画家小口一郎(1914~1979年)の作品を紹介する展覧会「鉱毒に追われて」が、長野市川中島町のひとミュージアム上野誠版画館で開かれている。館長の田島隆さん(73)は「国策によって住まいを奪われたのは鉱毒事件も原発事故も同じ。国や大企業の責任を考えるきっかけにしてほしい」と話している。来月3日まで。

 
 栃木県出身の小口一郎は二十数年をかけて、足尾銅山鉱毒事件の関係者から話を聞き、事件に関する版画集3部作を完成させた。今回展示されているのは、鉱毒により田畑が荒れ、遊水池として水没することになった栃木県谷中村(現藤岡町)の避難民を描いた作品25点。北海道に移住するため雪中をそりで行く姿や、仮設の小学校の様子などが木版画で表現されている。

 館長の田島さんは毎週金曜日に長野市街地で開かれている反原発デモに参加した際、福島県浪江町からの避難者が「もう生まれた土地には戻れない」と訴えているのを聞き、あらためてショックを受けた。自分には何ができるのか考えているうちに、所蔵している小口の作品を思い出したという。

 田島さんは「原発事故はまだ終わっていない。展覧会を通じて今も苦しんでいる避難者に思いをはせてほしい」と話した。入館料は大人500円、高校生300円、中学生以下無料。開館時間は午前10時~午後5時まで。(武藤周吉)

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