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【愛知】文明開化語る毛織物の洋装 一宮市博物館で初公開

ジャンル・エリア : 愛知  2013年05月02日

明治時代の「大礼服」(手前)など毛織物の洋装が初公開された企画展=一宮市大和町妙興寺の市博物館で

明治時代の「大礼服」(手前)など毛織物の洋装が初公開された企画展=一宮市大和町妙興寺の市博物館で

 明治以降の国内の毛織物の衣装を集めた珍しい企画展「近代の洋装と毛織物」が、一宮市大和町妙興寺の市博物館で開かれている。市が繊維会社から購入した「墨コレクション」と呼ばれる収集品の一部で、展示物は今回が初公開。明治天皇の主治医が着た衣装など貴重な品もあり、服装の変遷から文明開化の一端を知ることができる。6月2日まで。

 コレクションは、織物の染色整理加工「艶金(つやきん)興業」(一宮市起)を経営した故墨敏夫氏(1909~89年)が昭和40~50年代に集めた衣装など530点。墨氏には「貴重な毛織製品が失われないように」との思いがあった。

 同社の本業撤退を機に、市が2010年に全てを購入。博物館によると、毛織物の収集品としては国内最大規模という。

 企画展では、明治時代に洋装化した軍服や明治天皇が参加する特別な儀式で着用された「文官大礼服」などを、前半と14日からの後半に分けて計30点紹介する。

 大礼服は、黒の毛織生地に菊唐草文様などの刺しゅうをあしらっている。明治天皇の主治医を務めた岡玄卿(げんきょう)や、ホテルオークラを創設した富豪の大倉喜八郎が着用したものが並ぶ。

 博物館学芸員の成河端子(なおこ)さんは「正装を江戸時代までの束帯から洋装に変えたことには、西洋諸国並みの近代国家とアピールする狙いもあったと考えられる」と説明する。

 郵便局員の制服や裁判官の法衣など洋装化が早かった職業の衣装のほか、毛織物ではなく綿製とみられるが、作家三島由紀夫が1968(昭和43)年に「祖国防衛」を目的に組織した「楯(たて)の会」の実物の制服といった変わり種も。

三島由紀夫が組織した楯の会の制服=一宮市大和町妙興寺の市博物館で

三島由紀夫が組織した楯の会の制服=一宮市大和町妙興寺の市博物館で

 明治の日本は、海軍の技術をイギリスから、陸軍をフランスから別々に取り入れたが、技術と一緒に軍服のスタイルも両国からそれぞれ導入したため、全く異なるデザインだったことも分かる。

 成河さんは「洋装化で毛織物の需要が急増し、一宮の繊維産業の発展につながった。歴史のつながりを知ってもらえれば」と話している。

 入場料は一般200円、高校・大学生100円、小中学生50円。期間中、5日に「日本の洋装化」をテーマにした専門家の講演会、19日には社交ダンスの体験講座がある。講演会は当日に整理券を配る。体験講座の申し込みは13日まで。(問)市博物館=電0586(46)3215

(安福晋一郎)

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