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海上を走る県道223(ふじさん)号 静岡市、沼津市

ジャンル・エリア : 静岡  2013年05月16日

船上から富士山の景観が楽しめる県道223号

船上から富士山の景観が楽しめる県道223号

海抜0メートルから富士堪能

 富士山を望む駿河湾フェリーの航路が4月12日、静岡県の「県道223号」と認定された。観光交流を目的とした海上の県道認定は全国でも初めて。

 もともと県道223号は、大井川鉄道SLで有名な千頭(せんず)停車場から寸又峡を結ぶ道路だったが、島田市川根町笹間渡と寸又峡を結ぶ県道77号に吸収され1994年、欠番に。駿河湾周辺の行政にとっては願ってもない話だった。何しろ「223」は語呂合わせで「ふじさん」と読めるから。“海の道”は観光振興の目玉となった。

 フェリー乗り場は静岡市の清水港、エスパルスドリームプラザの隣にある。待っていたのは約1.554トンの大型カーフェリー「富士」だ。駿河湾を横断する航路は揺れが少ないと聞いてはいたが、船酔いが心配だ。緊張していたら船長はおおらかな笑顔で「大丈夫!」と親指でOKサインを出した。すかさず、出港!

 しかし、当たり前だが揺れる。風に当たろうとデッキに出ると、女性2人がしきりにカメラのシャッターを切っていた。静岡市内から来たという。これまで何度も駿河湾フェリーに乗船している。「ここから見える富士山が一番、きれいだと思います」。その言葉どおり、海抜ゼロメートルから見る富士山は美しい。新幹線の窓から見える景色と同じなのだが、建物や煙突が邪魔をしない分だけ気分がいい。地元の人が勧めるだけのことはある。

炭火で焼いて味わう干物

炭火で焼いて味わう干物

 65分後、船は伊豆市の土肥港に到着。そこから北上し沼津市の内浦漁業協同組合へ向かう。駿河湾の最奥部に位置し、アジの養殖業が盛んである。「えっ、漁港なのに養殖?」と不思議に思うが、湾の深さや水温差が身のしまった魚を育て、「天然に負けないおいしさがある」と漁協の金指正和さん。漁協の市場食堂「いけすや」で昼食タイムだ。アジの干物、サンマ・サバのしょうゆ干しを炭火で焼いて食べる定食(900円)をいただいた。鮮度抜群のアジをたたいてご飯に載せた「活あじ丼」(900円)もうまい。プリプリで、うま味が凝縮されている。

 世界遺産への登録を目指す富士山について4月30日、ユネスコの諮問機関イコモスが条件付きで登録を勧告した。古くからの登拝信仰、日本文化を象徴する富士山。雄大な姿が未来に引き継がれていくことを願っている。

 ▼メモ 清水港フェリー乗り場へはJR清水駅から静鉄バスを利用。車は東名高速道・清水ICから15分。県道認定を記念して駿河湾フェリーは来年3月31日まで(夏休み、年末年始を除く)料金を値下げ。車両が平日50%引き、旅客20%引きに。エスパルスドリームフェリー(電)054(353)2221。内浦漁協市場食堂「いけすや」は日曜午前10時~午後2時に営業。雨天中止(電)055(943)2316。

(中日新聞夕刊 2013年5月16日掲載)

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