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自転車で廃線を駆け抜ける 岐阜県飛騨市

ジャンル・エリア : 岐阜  2013年05月30日

鉄路の上を走るレールマウンテンバイク

鉄路の上を走るレールマウンテンバイク

景色と清涼感を肌で

 岐阜県の最北端に位置する飛騨市神岡町は鉱山の町として栄えた。雪深い町を支えてきた神岡鉄道は2006年に廃線となったが、住民の思いを受けて軌道、トンネル、駅舎をそのまま生かした「レールマウンテンバイク」として再生した。廃線後の鉄路と自転車を組み合わせた新感覚のレジャーだ。運営を任されているNPO法人神岡・町づくりネットワークの田口由加子さんは「景色と清涼感を楽しんでもらいたい」と話す。

 旧神岡鉄道・奥飛騨温泉口駅を発着点に旧神岡鉱山前駅まで片道2.9キロを往復。レールマウンテンバイクは市販の自転車2台を鉄道のレール幅に合わせた鉄製のフレームで固定。自転車を2人でこがないと前に進まない。「ガッタン ゴットン」。レールの継ぎ目にさしかかると、列車に乗っている時と同じ音がする。

 町を一望する高架、民家の裏側、緑豊かな高原川渓谷など見どころもいっぱいだ。「踏切がないのも特徴」と田口さん。最大の見せ場は500メートル続くトンネル。明かりもなく真っ暗で肌寒い。自転車前方に付いた小さなライトだけが頼りだ。しかも少しカーブしているので先が見えない。「キャー、怖い!」。ジェットコースター並みの面白さである。

 愛知県からきた夫婦はご主人の誕生日祝いだという。「前から一度乗りたくて。休みを取ってきました」。神岡鉄道に乗った経験がある女性3人連れは「列車では味わえない風を感じることができました」とうれしそう。

野菜たっぷりの神岡とんちゃん

野菜たっぷりの神岡とんちゃん

 鉱山がもたらしたもうひとつの財産はソウルフード「神岡とんちゃん」だ。1955年ごろから鉱山で働く人々のスタミナ料理だった。とんちゃんには内臓という意味があり、ニンニク、トウガラシが入った各店独自のみそだれで味付けされている。豚ではなくて牛のホルモンというのが神岡ならでは。味付けホルモンとキャベツや玉ネギなどたっぷりの野菜を鉄板で焼いて食べる。ちょっと汁だく。地元では焼き肉を食べた後の締めだという。町内には7軒の店があり、1軒は持ち帰り専門である。

 市街地を高原川が流れ、昭和の時代を思い出させるような家屋が軒を連ねる。地域の財産を生かしながら明日を見据えて生きる人々がいた。

 ▼メモ 神岡町へはJR飛騨古川駅からバスで約40分。車は東海北陸自動車道・飛騨清見ICから飛騨卯(う)の花街道、国道41号を利用。レールマウンテンバイクはノーマル、ハイブリッド車に加え、子どもや年配者向けにベンチシート、トロッコを搭載した車両も。運行ダイヤは午前9時~午後4時半の8便(10月以降は変更あり)、水曜定休。料金は1人1000円から。予約専用(電)090(7020)5852。岐阜県観光連盟名古屋センター(電)052(261)2001

(中日新聞夕刊 2013年5月30日掲載)

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