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【福井】三国の技に出合う 福井県坂井市、あわら市

ジャンル・エリア : 福井  2013年06月27日

日本海に突き出た三国港突堤

日本海に突き出た三国港突堤

港に残る明治の大事業

 古くから北前船の交易と九頭竜川の舟運で栄えた福井県坂井市三国町には、今もその名残が随所に見られる。

 九頭竜川河口に建設された最初の三国港突堤(エッセル堤)は長さ511メートル、幅9メートル。明治時代、地元の豪商が発起人となり建設された。総工費は当時のお金で30万円。数百円あれば家が建った時代なので、今だと数十億円をかけた大事業。オランダ人技師エッセルが設計、レーケの指導で完成した。130年以上たった今でも現役で、国の重要文化財に指定されている。ゴツゴツとした岩石が連なる突堤は格好の釣り場となり、多くの釣り人が糸を垂れていた。

 ほかにもエッセルは、木造5階建て八角形の小学校を、これまた豪商の依頼で手掛けた。その小学校を模した博物館「みくに龍翔館」は、町を一望する高台に立っている。

 福井といえば、おろしそばが有名。しかし三国で何代にもわたって伝承されてきた「おろしそば」は、予想を大きく覆した。大根おろしがないのだ。三国では、大根おろしの搾り汁と、だしを合わせたつゆを冷たいそばにぶっかけて食べる。だからここでは「おろしそば」と区別して「辛みそば」とあえて呼ぶ。単純に大根おろしを載せるより手間がかかっている。

 大根によって辛さも違う。そこで辛さを3段階に分けて提供する推奨店マップができた。辛さの目安は映画のR指定をまねて、子どもでも食べることができるR0、ピリッと辛いR12、辛い!R15。ちょっと細めのそばにつゆがからんでうまい。R15は食べた後から鼻にツンとくる辛みが癖になりそうだ。

ガラス工房で吹きガラスを体験

ガラス工房で吹きガラスを体験

 三国港の東、旧金津町(あわら市)には7人の作家が森の中にアトリエを構える「金津創作の森」がある。陶芸、ガラス、竹細工など異業種が集まり互いに刺激し合っている。ガラス工房で、吹きガラスのコップ制作を体験した。炉で溶かしたガラスを金属性のパイプに巻き、パイプを回しながら優しく優しく息を入れていく。職人たちが働く現場で、一緒に汗を流しながらガラスを膨らませていると、なんとなく作家になった気分。

 歩いて食べて、体を動かして-小さな旅にはぴったりの町である。

 ▼メモ 三国港へはJR北陸線「芦原温泉駅」下車、車で約20分、えちぜん鉄道は「三国港駅」で下車。金津創作の森へは芦原温泉駅から車で約10分、北陸自動車道・金津ICから約5分。吹きガラス体験は材料費込みで3000円。(電)0776(73)7801。辛みそば推奨店は坂井市内に14店舗。東尋坊から車で5分の海岸通り沿いにある休暇村・越前三国では「初夏の厳選極み会席」(7月19日まで)を提供。ハマグリのだしで食べるしゃぶしゃぶは美味。1泊2食付きで1万4300円(入湯税別)。(電)0776(82)7400

(中日新聞夕刊 2013年6月27日掲載)

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