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【京都】建築と庭園美 京都市

ジャンル・エリア : 歴史 | 近畿  2013年08月15日

奥行きを感じさせる無鄰菴の庭

奥行きを感じさせる無鄰菴の庭

先人の知恵 バスで巡る

 京都は奥が深い。何度行っても、新しい発見がある。今回は定期観光バス「京の夏の旅」に乗ってみた。普段は見ることができない文化財を見学できるし、バスの中は冷房完備。行く先々でボランティアガイドの説明があり言うことなし。また世界が広がる。

 特別コース「京都の美・名庭と建築をたずねて」は回遊式庭園や市内が一望できる楼閣などを巡る。

 八坂神社の北にある「無鄰菴(むりんあん)」は明治・大正の元老、山県有朋の別荘で、山県自ら設計し、造園家の7代目小川治兵衛が造った。「三角形の狭い地形ですが、狭さを感じさせない造りになっています。どれだけ広く見せるか、かなり知恵を絞ったようですね」とガイドさん。東山を借景に、小道の木立は種類も刈り込み方法も変えている。母屋を里に見立て、一番奥の滝へ行き着くまで山道を歩いているかのような感覚を狙っているのだ。時折、近くの京都市動物園から動物の鳴き声も聞こえてきて、気分を盛り上げる。

 昼食は無鄰菴の北、白河院で庭を眺めながら京料理をいただく。湯葉豆腐と鱧(はも)南蛮、笹(ささ)巻き麩(ふ)、長ナスと揚げの煮物など京都らしい夏の食材が並ぶ。

豪華な装飾で彩られた大雲院祇園閣

豪華な装飾で彩られた大雲院祇園閣

 無鄰菴から円山公園を抜けて大雲院へ。背後にそびえる祇園閣は1927(昭和2)年に完成した。高さ36メートルの3階建て。大倉財閥の創始者、大倉喜八郎の別邸の一部で「祇園祭の鉾(ほこ)を1年中見たい」との希望をかなえ山鉾の形を模した。何より内部の装飾がすごい。天井には十二支、階段の照明は鬼(魑魅魍魎(ちみもうりょう))、壁は敦煌の壁画を模写。なんだか独特すぎて、ついていけない。

 ゆっくりゆっくり階段を上り、屋上へ出た。吹き寄せる風が心地いい。夏の暑さを忘れさせてくれる。一周すれば京都の町並みが360度見渡せる。こんな所は、そうはないだろう。

 「京都の美・名庭と建築をたずねて」コースは、このほかに夏の訪れを告げる「都をどり」の会場、祇園甲部歌舞練場庭園や会津藩士も投宿した農家の長谷川家住宅を訪れる。あくせくした日々の中、一服の清涼剤のような庭を巡るのもいい。歴史を学んだ後は、夏ならではの和菓子を買いに行こう。

 ▼メモ 定期観光バス「京の夏の旅」は「京都の美・名庭と建築をたずねて」のほかに六道珍皇寺、御金神社、大覚寺門跡心経宝塔を巡る「京の名水と御利益めぐり」コースも。午前10時半、JR京都駅前烏丸口乗り場を出発。所要時間は5時間半~6時間で料金は9000円。8人以上ならグループ割引もある。定期観光バス予約センター(電)075(672)2100

(中日新聞夕刊 2013年8月15日掲載)

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