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【長野】名水とワインの味巡り 長野県松本市

ジャンル・エリア : グルメ | 特産 | 甲信越  2013年09月12日

「蔵の井戸」は昔ながらの手押しポンプ=いずれも長野県松本市で

「蔵の井戸」は昔ながらの手押しポンプ=いずれも長野県松本市で

喉を潤し、香りに酔う

 北アルプスの美しい山脈に囲まれた長野県松本市は、名水の地としても知られている。黒壁の国宝・松本城を中心に四十を超える自噴井戸や湧き水が点在、市民の手で手厚く保護されている。平成の名水百選に選ばれた「城下町湧水群」を巡ってみた。

 松本城近くの「大名小路の井戸」は、ビルや商店街に囲まれ多くの人が喉の渇きを癒やす。露店やカフェが立ち並ぶ縄手通りを過ぎ、白壁土蔵造りの商家が立ち並ぶ中町通りの「蔵の井戸」には、昔懐かしい青色の手押しポンプがあった。行楽に訪れた子どもは「初めて!」と楽しそうにポンプを動かしていた。

 ポンプでくみ上げる水は、最初はやや生ぬるい。ところが地下二十五メートルから、徐々に冷たい水が上がってきた。飲むと少し甘め。一方、かつて当国一の名水と称賛された「源智(げんち)の井戸」は舌にざらつきを感じた。すぐ前の眼科にも手作りの井戸があり、水の味は微妙に異なっていた。

 定年後、ボランティアガイドとして活躍する伊藤英成さんは「井戸を掘る深さや水脈によって味がどんどん変わる」と話す。勝手に一番おいしい水を決めさせてもらうと「大名小路の井戸」だった。

山辺ワイナリーでは約20種類のワインが試飲できる

山辺ワイナリーでは約20種類のワインが試飲できる

 この地でもう一つ忘れてはならないのはワインだ。美ケ原高原の麓にある山辺ワイナリーは、地元産ブドウ100%にこだわっている。さらにブドウが持つ味を最大限に引き出すため、各銘柄は単一品種で造り、ブレンドはしない。そんなこだわりを約20種類のワインで飲み比べることができる。例えば「2007マスカット・ベーリーA」は渋味もなく飲みやすい。同じベーリーAでも古樽(たる)で二年間熟成されたものになると、味わいがぐっと深くなる。ワインの表情は豊かだ。ついでにこちらの顔も赤みが帯びてきた。

 松本市の中心街からほど近い美ケ原温泉では、恒例の「信州・松本ワイン巡り」を今年も開催する。山辺ワイナリー、五一ワインなど同県内のワイナリー七社が参加。「美」の文字が彫られた小さめのワイングラスを片手に、温泉街を散策しながらワインと手作りのつまみを味わう。美ケ原温泉旅館協同組合常務理事の遠藤照生さんによれば、ワイン巡りの行楽客は圧倒的に女性が多いそうだ。久しぶりに訪れ、あらためてこの地の魅力に感動した。

 ▼メモ 松本城へはJR松本駅から徒歩約15分、松本周遊バスで約10分。山辺ワイナリーへは松本駅から車で約15分。レストランでは、信州牛のハンバーグや信州ポークのランチが味わえる(電)0263(32)3644。松本の郷土料理「山賊焼き」はたれに漬け込んだ鶏肉をカリッと揚げたもの。専門店「河昌」は上高地への登山客などに人気。

 美ケ原温泉「信州・松本ワイン巡り」(10月3~6日後2~5時)はワイングラスと通行手形、案内図付きで参加費1000円。期間中、松本駅から美ケ原温泉まで無料送迎バスを運行。長野県名古屋事務所(電)052(263)4118

(中日新聞夕刊 2013年9月12日掲載)

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