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【愛知】VIPな気分、レトロ喫茶室 名古屋・千種区の「聴松閣」

ジャンル・エリア : 愛知 | 歴史  2013年10月02日

落ち着いた雰囲気で喫茶や軽食が楽しめる聴松閣の喫茶室=名古屋市千種区法王町で

落ち着いた雰囲気で喫茶や軽食が楽しめる聴松閣の喫茶室=名古屋市千種区法王町で

 名古屋市千種区法王町の市有形文化財「聴松(ちょうしょう)閣」の喫茶室が隠れた人気を呼んでいる。かつて賓客をもてなした空間で、喫茶や軽食を楽しむことができ、ちょっとしたVIP気分を味わえることが来館者を引きつけている。

 聴松閣は、松坂屋の初代社長、伊藤次郎左衛門祐民(すけたみ)が大正から昭和初期にかけて構築した別邸「揚輝(ようき)荘」の迎賓館。1937(昭和12)年に造られ、政財界の大物や各国大使らが滞在した。8月29日に一般公開が始まった。

 建物の外壁の赤色にちなんで「喫茶 べんがら」と名付けられた喫茶室は、1階の旧食堂を利用。窓の外には枯れ山水の石庭が広がり、室内には「いとう」の文字を透かし彫りした飾り棚や、和風にデザインされた暖炉がある。

 床や柱には木材の表面に削り跡を残して細かな模様にする「なぐり」という技法が用いられている。全体に重厚で落ち着いた雰囲気になっている。

 岡崎市の「旧本多忠次邸」でボランティアガイドをしている安藤照三さん(63)はガイド仲間と喫茶室で昼食を取りながら、「大切な人をもてなす場所だけに床や柱のデザインなど、1つ1つの重みが違う。素晴らしい」とうなった。

 江添洋一副館長(65)は「開館当初は観覧料を払った人が喫茶室を利用してくれるのか心配だった」と話す。自動販売機を置くという意見もあったが、ふたを開けてみると予想外の入りとなった。

 客は採算ラインの1日50人を目標にしていたが、1日平均63人。来館者の4割近くが利用している。江添さんは「当時は恐らく何度も晩さん会が開かれた所。昭和初期にタイムスリップしたような雰囲気が魅力なのでは」とみる。

 喫茶室の責任者中村きみよさん(62)は、季節感が出そうと、自宅から花を持ってきて飾る。「近所の方なのか、何度も訪れる方もいます。落ち着ける場所なのでしょう」と話している。

「いとう」の透かし彫りが施された飾り棚=名古屋市千種区法王町で

「いとう」の透かし彫りが施された飾り棚=名古屋市千種区法王町で

 喫茶室は午前9時半から午後4時半まで。ラストオーダーは午後4時。コーヒーや紅茶などが350円、季節の果物を使ったケーキセットが700円。午前11時半から午後2時まではカレーセット750円もある。聴松閣の一般観覧料300円。問い合わせは、揚輝荘=電(759)4450=へ。

(北村剛史)

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