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【石川】孤高の画家 池田瑞月 地元金沢で来月 10メートルの大作11巻

ジャンル・エリア : 石川 | 芸術  2013年11月13日

池田瑞月

池田瑞月

未公開作を展示
「父のこと知って」長男、所蔵品貸し出し

 世俗を離れ、草木を描き続けた金沢出身の日本画家、池田瑞月(ずいげつ)(1877~1944年)の未公開の大作が12月、初めて金沢市内で展示される。没後にまとまった個展が開催されること自体が初めてといい、長男が所蔵する一幅10メートルに及ぶ巻物11巻を目玉に、知られざる郷土の偉人の画業を紹介する。(日下部弘太)

 瑞月は現在の金沢市南新保町に生まれ、1905(明治38)年には前田家の展覧会で一等褒章を受章した。29年に京都市に移り、関西で活躍した実業家加賀正太郎の依頼で、加賀が栽培していた300種の洋ランを描いた。瑞月の原画を基に作られた図版「蘭花譜(らんかふ)」が知られるが、瑞月は他の作品を世に出すことはほとんどなかった。

 瑞月は金沢神社(金沢市)の先々代の宮司と交友があり、神社に作品も残る。長男一路(かずみち)さんが昨夏、「父のことを知る人がいなくなるのは残念だ」と現宮司の厚見正充さん(54)に故郷での展覧会開催を相談。瑞月が40代から20年以上を費やし、14巻に及ぶ大作「草木写生画巻」のうち11巻を貸し出した。

 画巻はそれぞれ長さ10メートルあり、北海道から近畿までの植物が30点ほどずつ描かれている。紅葉した樹木、ツバキ、野菜だけを連ねた巻も。1巻が東京で展示されたことがある以外は未公開だったという。

精密でありながら感性がほとばしる「草木写生画巻」の1巻=金沢市の金沢神社で

精密でありながら感性がほとばしる「草木写生画巻」の1巻=金沢市の金沢神社で

 草木の特徴を細密に表しつつ、芸術性も備える。神社拝殿の天井画を描き、展覧会に協力している市内の画家山田俊一さん(66)は「百花繚乱(りょうらん)は、絵描きなら誰もが憧れるが、本当に力がないとできない。ただ植物を並べるのではなく、流れやリズムがあり、素晴らしい作品だ」と絶賛する。

 展示は金沢市広坂のしいのき迎賓館で12月2~8日。2日は午後3時から。画巻は日替わりで掲げる予定で、蘭花譜のリトグラフ(石版画)、ランやボタンの絵も出品する。入場無料。厚見宮司は「展示をきっかけに、瑞月が金沢の偉人の1人として知られるようになれば」と期待を込める。

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