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【岐阜】被災の古里思い個展 陶芸家佐藤さん

ジャンル・エリア : 岐阜 | 工芸品 | 文化  2014年02月28日

ハスの花をモチーフにした水指を手にする佐藤和子さん=岐阜市日ノ出町で

ハスの花をモチーフにした水指を手にする佐藤和子さん=岐阜市日ノ出町で

 福島県いわき市出身の陶芸家佐藤和子(わこ)さん(69)=土岐市鶴里町柿野=の個展が27日、岐阜市日ノ出町の岐阜高島屋で始まった。東日本大震災から間もなく3年。復興を目指す古里の姿に触発されて一度は決めた引退を撤回し、新たな作風に挑んだ。

 県重要無形文化財保持者だった故加藤十右衛門氏に師事。引退しようと考えていた作家活動50周年を翌年に控えた2011年3月、震災が起きた。きょうだいや友人らが家を流されたり、避難を余儀なくされたりした。

 被災地の慰問を続けるうち、心境に変化が起きた。「『がんばって』と言いながら、『私は辞めるから』なんて言えない」。不便な仮設住宅暮らしにも不平をこぼさない友人らに、苦労を重ねた自身の修業時代が重なった。

 「自分の中にも『あきらめない東北人』がいるはず」と感じた。

 引退を撤回し挑んだのが、美濃焼の世界を飛び出すこと。大好きなハスをモチーフに独創的な水指に取り掛かった。「一見してハスと分かりつつ、使い勝手の良さを失わない」形や色を追究。丸みを帯びたピンクの花びらが器を包み込むデザインに落ち着いた。

 被災地に作品の寄贈を続ける。「私なりの支援を続けたい」。個展では茶道具を中心に約90点を展示した。売り上げの一部は震災遺児の基金に寄付する。3月4日まで。

(小笠原寛明)

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