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【岐阜】熟練技で銀幕に復活 来月、岐阜で「戦争と人間」3部作

ジャンル・エリア : 岐阜 | 文化  2014年04月21日

来場を呼び掛ける橋本義信さん。2台の35ミリ映写機で映し出す=岐阜市日ノ出町のロイヤル劇場で

来場を呼び掛ける橋本義信さん。2台の35ミリ映写機で映し出す=岐阜市日ノ出町のロイヤル劇場で

 擦り切れて上映不能だった映画フィルムが、ベテラン映写技師の手でよみがえる。1970年代に日活(東京都)が制作した3部作「戦争と人間」(山本薩夫監督)。岐阜市日ノ出町のロイヤル劇場で5月に上映される。かつて映画館を連日満員にしたヒット作が、再び観客の心を揺さぶるか-。

 戦争と人間は、日中戦争で揺れる日本と旧満州(中国東北部)を舞台に、時勢に翻弄(ほんろう)される一家を描いた。俳優の石原裕次郎さん(1934~87)や吉永小百合さん(69)も出演している。3部合わせて9時間22分あり、歴代最長の日本映画の1つとして知られる。

 しかし日活は90年ごろから経営難に陥り、デジタル映写機普及の影響も受け、映画館用35ミリフィルム1本と、公民館用16ミリフィルム2本だけ残して廃棄。35ミリフィルムは材質の劣化が激しく、ここ数年は再上映の依頼があっても貸し出しできなかった。

 今回フィルムをよみがえらせるのは、50年近くロイヤル劇場で映写技師として働く橋本義信さん(71)=岐阜市日野東。2月に1週間かけて、一巻300メートルのフィルム計52本すべてに目を通し、ささくれや破れをチェック。「上映可能」と判断した。今月下旬から本格的な補修作業に入る。

 ロイヤル劇場によると、昭和の旧作をデジタル化しても上映機会は少ないため、採算が取れないという。一般家庭のレンタル用などにDVD化されたとしても、解像度が低く映画館での上映は難しい。

 ロイヤル劇場のスクリーンは幅約9.6メートル、高さ約4.3メートルあり、シネコン全盛の今では国内最大級。古き良き映画館の雰囲気を味わってほしいと、週替わりでフィルム映画の名作を紹介している。

 戦争と人間の上映は、日活にも正確な記録が残っていない。羽島市映画資料館の近藤良一館長(62)によると「ここ10年以上、東海3県では上映されていない」という。

 橋本さんは「このフィルムで見られるのは最後かもしれない。映写技師が大切に受け継いできた作品を見に来て」と話している。

 映画は、第1部を5月3日~9日。第2部は10~16日。完結編を17~23日に上映する。1回500円。

 (松野穂波)

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