【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【石川】母しのぶ思い出の町家 工房併設カフェに

【石川】母しのぶ思い出の町家 工房併設カフェに

ジャンル・エリア : オブジェ | 文化 | 歴史 | 石川 | 芸術  2014年05月20日

高い吹き抜けのあるカフェに生まれ変わった町家とオーナーの中屋幸子さん(左)、古田航也さん=金沢市東山で

高い吹き抜けのあるカフェに生まれ変わった町家とオーナーの中屋幸子さん(左)、古田航也さん=金沢市東山で

 金沢市東山で空き家だった町家が、若手作家による工房併設のカフェ兼ギャラリーとしてよみがえった。オーナーの中屋幸子さん(70)は「工房もある町家はここだけ。建物を楽しめる人にぜひ来てほしい」と話す。母の形見でもある町家カフェは、20日にオープンする。(佐々木香理)

 高さ約7メートルの吹き抜けが心地よい一階はカフェスペース。奥の和室からは中庭が見渡せ、その先に土蔵を改装した工房がある。

 工房では、今年3月に金沢美術工芸大大学院を修了した金工作家の古田航也さん(24)が創作に励む。壁は厚く作業音はほとんど漏れない。第一歩を歴史ある町で迎えることに「幸運だと思う」と喜ぶ。市が開設を支援する「金沢町家職人工房」の2カ所目となる。

 町家は中屋さんの実家だった。茶屋街の芸妓(げいぎ)で評判の三味線弾きだった母親・五月(さつき)さんと暮らしていたが、数年前から空き家になり、傷みが目立っていた。

 家族の思い出が詰まった空間を残したいと思い、一昨年から町家の修復に取り組む建築家や市などの協力を得て改修を計画。土壁を塗り直し、基礎の強度を高めた。吹き抜けの修復中には築100年以上の歴史を感じさせる質屋の雑記帳も見つかり、カフェのインテリアに活用した。

 再生を待ち望んでいた五月さんは3月末に他界。亡き母をしのび、店の名は「三味(しゃみ)」に。遺品の三味線もカフェの一角に飾った。中屋さんは「東山の町家の良さを味わってもらえれば」と話す。

 2階のギャラリーでは、古田さんが手掛けた可動式の金属オブジェを展示する。30日まで。

旅コラム
国内
海外