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【富山】落差日本一 称名滝 富山県立山町

ジャンル・エリア : 富山 | |   2014年07月10日

水煙を上げる落差日本一の称名滝。右は水量が減ると姿を消すハンノキ滝=富山県立山町で

水煙を上げる落差日本一の称名滝。右は水量が減ると姿を消すハンノキ滝=富山県立山町で

大迫力のごう音、水煙

 霊峰・立山の雪解け水が弥陀(みだ)ケ原高原をへて、4段の滝となって流れ落ちる。落差350メートル。日本一を誇る富山県立山町の「称名滝(しょうみょうだき)」(国天然記念物)は、雄大な自然にごう音を響かせ、大きな水煙を上げていた。

 最寄りの駐車場から1.5キロほど舗装した山道を歩くと滝つぼ近くの滝見台園地に到着する。標高は1000メートル余りあり、滝つぼから流れる常願寺川の川辺には所々、雪塊が残っていた。同じ滝つぼに落ちるハンノキ滝は例年、初夏に姿を消すが、前日の雨が、その姿をよみがえらせていた。

 辺りにはマイナスイオンがたっぷり。野鳥のさえずりも聞こえて心地よい。だが水煙は、滝つぼから100メートルほど先まで届き、晴天の日でも小雨状態。傘やコートは必携だ。

 立山には、巡拝すると死後の世界が疑似体験でき、下山すると超常の力が身に付くという信仰があり、ふもとには信仰登山の拠点があった。明治初頭の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で様相は大きく変わったが、芦峅(あしくら)寺地区には、その痕跡が残っている。

 称名滝から10キロほど下った芦峅寺の中心街には、かつて30余りの宿坊を擁した中宮寺の後継ともいえる雄山(おやま)神社、その隣には立山博物館・展示館がある。近くの閻魔(えんま)堂から坂を下ると朱塗りの布橋(ぬのばし)(長さ約45メートル)。立山が女人禁制だった江戸時代、入山できない女性のために「布橋灌頂会(かんじょうえ)」という儀式が行われた橋である。橋の下を流れる川を「三途(さんず)の川」に、布橋を、この世とあの世の境界に見立てている。目隠しをして白装束で橋を渡ると力を得て死後、極楽浄土に行けると信じられている。布橋灌頂会は1996年に復活。ことしの9月21日には3年ぶりに行われ、8月20日まで町観光協会内の実行委員会が参加者を募集している。白装束での参加は女性のみで装束と食事、記念品代を含め2万円。普段着(男性も可)での参加は2000円。

ことし9月、3年ぶりに布橋灌頂会が行われる布橋(後方は立山連峰)

ことし9月、3年ぶりに布橋灌頂会が行われる布橋(後方は立山連峰)

 宿坊で提供されていた精進料理は、郷土料理として伝わり、金、土、日曜と祝日のみ立山・芦峅ふるさと交流館で食べられる。代表的な「つぼ煮」は、干した山菜のコゴミや厚揚げなどを昆布だしで調味していて、おいしかった。つぼ椀(わん)に盛り付けることから、この名が付いたのだという。 (富永賢治)

 ▼メモ 称名滝へは、JR富山駅から富山地方鉄道に乗り換え立山駅まで約50分。片道500円の称名滝探勝バスに乗り約15分で最寄りの駐車場へ。バスは午前8時から午後4時20分まで約1時間に1便運行している。車は北陸道・立山ICから約50分。問い合わせは立山町観光協会(電)076(462)1001、布橋灌頂会実行委(電)同(462)9971、立山・芦峅ふるさと交流館(電)同(482)1756

(中日新聞夕刊 2014年7月10日掲載)

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