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【石川】少女が記した50年代の青春 早世の詩人・広津里香 短編映像に

ジャンル・エリア : 文化 | 石川 | 芸術  2014年08月19日

若者の心を揺さぶる多くの詩を残した広津里香(石川近代文学館蔵)

若者の心を揺さぶる多くの詩を残した広津里香(石川近代文学館蔵)

石川近代文学館で上映

 29歳で早世した金沢ゆかりの詩人で画家の広津里香(ひろつりか)(1938~67年)のショートフィルム「広津里香 Vivi 終わりなき青春」がほぼ完成した。没後約50年をへて色あせることのない作品に触れるきっかけにしてもらいたいと、石川近代文学館が映像化した。(沢井秀和)

 フィルムは15分弱で、金沢大付属高校2年時に「Vivi」と名付けたもう一人の自分と話す形で、詩や日記を記し始めた様子が描かれている。「切り取って 花瓶にさしても バラはひらく 私はいやだ 花瓶のなかで 花開くのは」(無題=私はいやだ)といった代表作が、劇団ひまわりに所属する県内の高校生3人によって交互に朗読されている。

 旧制第四高等学校の教室だった金沢市広坂の石川四高記念文化交流館でロケ。広津が思春期を迎えた1950年代後半の世相の写真も織り込み、臨場感を高めている。映像作家の嬉野智裕さんが監督し、OHAKOSTUDIOの山田康太さんが撮影した。フィルムは文学館で展示されている「広津里香 詩と絵の世界」で上映中。

 自らも出演した同級生で詩人の井崎外枝子さん(76)=金沢市=は「広津さんの詩を読む時は一対一で向き合う感じだったが、今回は多くの人が参加する感じでうれしかった。これもみな広津さんの言葉に力があるから」と強調。シナリオを書いた劇団アンゲルスの岡井直道さん(67)は「広津さんの詩、生きざまを世代を超えて興味を持ってもらうように工夫した。若い人に見てもらえればうれしい」と話している。

 近代文学館は2004年から隔年で高校生を対象に創作詩を公募。12年には広津里香詩集の文庫版を出版している。

 ひろつ・りか(本名啓子) 中学、高校を金沢で過ごし、再生不良性貧血で病死するまで詩80編余り、絵画90点ほどを残す。死後に「量られた太陽」「黒いミサ」「死が美しいなんてだれが言った」など私家版も含めて十数冊の作品集が刊行されている。

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