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【奈良】環濠を備えた寺内町 奈良県橿原市今井町

ジャンル・エリア : グルメ | 文化 | 歴史 | 近畿  2014年09月25日

一部残った環濠の横にたたずむ今西家住宅

一部残った環濠の横にたたずむ今西家住宅

江戸期の粋漂う町並み

 優美な日本建築、風格、歴史性も備えた奈良県橿原市今井町の町並み。古き良き時代の伝統を受け継ぎながらも、モダンと粋が感じられるこの町は、観光地としても大いに魅力的だ。
 橿原市の北部、奈良市の南側に位置する今井町のエリアは南北310メートル、東西600メートル。16世紀に本願寺が一向宗の布教拠点として建てた称念寺が町の起こりとされている。その後、一向宗への弾圧から町を守るため、周囲に幅5~7メートルの堀を巡らし、寺内町が形成された。

 この辺りは奈良、京都、伊勢への交通の要衝だったことから、江戸期に入ると商業地として栄え、元禄年間には「大和の金は今井に七分」といわれるほどの隆盛を誇った。子孫たちが受け継いだ町並みは、戦災から逃れ、全域が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。現在も約650軒の民家のうち、およそ6割が江戸時代の建物で国の重要文化財が9軒もある。だが、大方の環濠(かんごう)は防備の必要がなくなり、道路に姿を変えていた。

河合家住宅付近の町並み

河合家住宅付近の町並み

 中でも際立っているのが環濠沿いにあり、惣年寄の筆頭を務めた今西家住宅(国重要文化財)で棟札には慶安3(1650)年と記されている。入り母屋造り2階建て、桁行き15.9メートル、梁(はり)間13.8メートル、棟高11.4メートル。壁は白漆喰(しっくい)塗り、千鳥破風を施し、お城のような外観だ。内部には、豪華な造りの客間のほか、罪人を収容する牢(ろう)まである。

 かつて町役場だった今井まちなみ交流センターでも、この地の歴史は学べるが、橿原市には観光ボランティアガイドの会があり、事前予約しておくと交通費1000円と昼食代だけで案内してもらえる。ガイド歴10年という小梶勝司さんは「ある程度、予習してから来ると奈良の味わいが深まるはず」と教えてくれた。

 エリア内には、しゃれた飲食店や喫茶店もあり、休憩しながら散策できる。河合家住宅(国重要文化財)横のつけもの店「今井十返舎(じゅっぺんしゃ)」の「大和つけもの丼」(800円)は、ナス、キュウリなど色合いの良い漬物と湯引きしたマグロが載せられている。副菜は、漬物の天ぷらと野菜の煮物、みそ汁。ヘルシーで、なかなかの味わいだった。 (富永賢治)

涼しげな見た目の大和つけもの丼=いずれも奈良県橿原市今井町で

涼しげな見た目の大和つけもの丼=いずれも奈良県橿原市今井町で

 ▼メモ 橿原市今井町へは、名古屋駅から近鉄・大和八木駅まで特急で約1時間50分、京都駅からは約50分。さらにタクシーで約5分。車は名阪国道・天理ICから国道169号経由で約40分。今西家住宅見学の事前予約は今西家保存会へ。(電)0744(25)3388。問い合わせは橿原市観光協会(電)0744(20)1123

(中日新聞夕刊 2014年9月25日掲載)

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