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【福井】大野「鳩ケ湯」来春復活 岐阜の企業が継承

ジャンル・エリア : | 福井  2014年10月15日

清掃ボランティアに訪れた若者たちと談笑する中島尋幸マネジャー(右)=大野市の鳩ケ湯で

清掃ボランティアに訪れた若者たちと談笑する中島尋幸マネジャー(右)=大野市の鳩ケ湯で

 奥越の秘湯として親しまれ昨年5月に閉館した大野市上打波の温泉旅館「鳩ケ湯」を、岐阜県富加町の機械部品加工会社「豊実(ほうじつ)精工」が買い取り、来年5月を目指して営業再開の準備に入った。この連休中には若者ら約35人が旅館を訪ね、ボランティアで館内を清掃。秘湯の宿は再開を心待ちにする人たちのぬくもりに包まれた。

 鳩ケ湯は昨年5月、家族経営の要だった森嶋宏さん=当時(59)=が山菜取り中に事故で亡くなり、閉館を余儀なくされた。今年2月、かつて宿泊したことのあった同社の今泉由紀雄社長が大野を訪れて閉館を知り「もう一度灯をともさないともったいない」と継承を決意。7月末に土地と建物を買い取った。

 現在は快適に泊まってもらえるよう木造3階建ての宿の掃除や改修を進めている。従業員1人が常駐。閉館後に廃止された固定電話の電話線を引き直し、ホームページも旧来のものを再稼働させた。

 清掃ボランティアは県内の若者グループ「ふくい若者チャレンジクラブ」の有志が呼び掛けた。企画した福井市の会社経営吉田裕則さん(32)は「鳩ケ湯の建物、自然、温泉に魅力を感じる若者が集まった。営業再開後も協力したい」と話す。

 豊実精工の中島尋幸マネジャー(61)は「福井県の人々の期待を感じるし、自主的な応援は大変ありがたい。初めての旅館経営だが、みんなの力を借りていい旅館にしたい」と語る。前経営者の森嶋さんの父康哉さん(82)も訪れ「豊実精工は企業として買ってくれた。寂しさはあるが、安心している」と述べる。

◆紅葉の季節、一時開放

 同社は今秋の紅葉シーズンに合わせ、10月25~26日と11月1~3日に宿の前にテントを張り、散策客らの休憩用に開放する予定。宿の見学もできる。

 (尾嶋隆宏)

 <鳩ケ湯> 1850年代に温泉が発見され、1903(明治36)年に森嶋家が宿を始めた。ヤマバトが傷を癒やしたとの伝説が名の由来。現在の建物は1937(昭和12)年ごろに建てられた。豪雪地帯のため道路が通行止めとなる12月~翌年4月末は休業。刈込池や赤兔山へのハイキングコースの起点としても知られる。

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