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【石川】がん闘病 情熱の書 21美で大阪・松井さんら「芸術 命の限り」

ジャンル・エリア : 石川 | 芸術  2014年10月22日

3人が共同制作した手前から「星」「花」「愛」の書=金沢21世紀美術館で

3人が共同制作した手前から「星」「花」「愛」の書=金沢21世紀美術館で

 がんと闘いながら、書を身近なアートととして広める活動に情熱を注ぐ大阪市住吉区の元教諭松井余庵さん(66)=本名・正道=と書仲間2人の「参竒堂書展」が21日、金沢市広坂の金沢21世紀美術館で始まった。「生きている限りは半歩でも前に進みたい」と、精力的に書展を開く松井さん。自由で創作性にあふれるユニークな墨遊びの世界が来場者を引きつけている。26日まで。(奥田啓二)

 昨年6月、松井さんは前立腺がんが発覚。骨7カ所に転移した末期で、薬が合わなければ余命半年と告げられた。

 残された時間がはっきりしない中、各地で開いてきた個展を「やり抜きたい」との思いから、高校の後輩で公立高校の書道教諭早崎蘇石さん(65)=本名・公男、大阪市住之江区=と、交流のあった書家小川起石さん(62)=本名・晴夫、和歌山市=を誘い、今年4月に大阪市、7月に山梨県甲州市で新作約150点を持ち寄り3人展を開いた。

 会場で目に飛び込んでくるのは、3枚の段ボール(縦96センチ、横120センチ)にそれぞれ書かれた天に「星」、地に「花」、人に「愛」の共同作品。独自の書体で力強い書に20代のカップルは「元気にさせてくれます」と見入っていた。

 感動した故寺山修司さんのメッセージ「書を捨てよ町に出よう」のイメージを大切にした松井さんの書には堅苦しさがなく、素朴さが伝わる。

 牛乳で書いた文字を乾燥後、用紙の裏から墨を吹き付けて浮き上がらせる作品は、早崎さんが考案した技法。阪神大震災で亡くなった洋画家の詩文「抜けた天 立てかけた梯子(はしご)があった」を題材にした小川さんの作品には、天に向かうはしごの挿絵が添えられ、天井の高い21美の会場に合わせて書き直した。松井さんは「書を生活の中に復活させる三人三様の驚きと感動の作品を見てほしい」と話している。

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