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【滋賀】木地師の里 滋賀県東近江市君ケ畑町・蛭谷町

ジャンル・エリア : グルメ | | 工芸品 | 歴史 | 近畿  2014年11月06日

木地師の里の林間に安置されている惟喬親王像

木地師の里の林間に安置されている惟喬親王像

いにしえの職人技継承

 鈴鹿山系の山深いところに「木地師(きじし)の里」と呼ばれる地域がある。ここから全国各地へ多くの木地師たちが巣立っていったのだという。歴史マニアにとっては、まさに見逃せない観光地。一帯の自然は素晴らしく、これから紅葉の見頃を迎える。

 三重県いなべ市から国道421号の石榑(いしぐれ)トンネルを抜け、車で15分ほど走ると標高400メートルほどの「木地師の里」に到着する。文徳天皇の第1皇子でありながら皇位継承に敗れた惟喬(これたか)親王(844~897年)は、従者と共に、この地で暮らし、ろくろによる木地の技術を確立したとされる。現在、二十数戸が暮らす東近江市君ケ畑町には、住居跡ともいえる金龍寺(別名・高松御所)や大皇器地祖(おおきみきぢそ)神社などが残る。

 金龍寺には、諸国の関所を自由に通行できる往来手形や山への立ち入り許可証を発行する特権が与えられ、やや手前の同市蛭谷(ひるだに)町にあった筒井公文所とともに、明治時代中期まで国内の木地師を統括していた。かつて多くの木地師が工房を構えた蛭谷町の高台には、この地の歴史を後世に伝えようと惟喬親王像が安置され、筒井公文所の跡地近くには木地師資料館がある。

工房の展示室で自作の盆を手にする小椋昭二さん

工房の展示室で自作の盆を手にする小椋昭二さん

 過疎が進む中、小椋昭二さん(63)は自宅横の「ろくろ工房 君杢(きみもく)」(君ケ畑町)で、盆や菓子器などを製作している。「木の手触り感を生かしたいから」と漆を塗らない作風にこだわり、見学者があると手を休め、無料で作業手順などを説明してくれる。「木工 きたの」(蛭谷町)を経営する北野清治さん(54)は「必要とされ、使い捨てにされないモノづくり」が信条。肌触りの良いトチを材料にしたパスタ皿やカップなどの新製品開発にも力を入れている。

 この辺りのうまいものといえば、イワナやこんにゃく料理だが、市街の中心方面へ少し足を延ばすと、野菜中心のヘルシーな月替わりランチ(750円から)を提供するレストラン「ファームキッチン 野菜花(のなか)」(同市小倉町)がある。調理するのは、料理上手な地域の年配の女性たち。季節によっては、えび大根などの郷土料理も登場する。 (富永賢治)

「ファームキッチン 野菜花」の月替わりランチは野菜中心=いずれも滋賀県東近江市で

「ファームキッチン 野菜花」の月替わりランチは野菜中心=いずれも滋賀県東近江市で

 ▼メモ 木地師の里へは、名神高速・八日市ICから車で約30分。「ろくろ工房 君杢」は年中無休。(電)0748(29)0521。「木工 きたの」は不定休。(電)090(6558)7548。「ファームキッチン 野菜花」の営業時間は午前11時から午後6時まで。火曜定休。(電)0749(46)1455。問い合わせは東近江市観光協会(電)0748(48)2100

(中日新聞夕刊 2014年11月06日掲載)

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