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【岐阜】口で絵筆、あふれる詩情 両腕ない洋画家が大垣で個展

ジャンル・エリア : 岐阜 | 芸術  2015年03月18日

展示された絵の傍らで話す水村さん(左)と田渡さん=大垣市藤江町の画廊春で

展示された絵の傍らで話す水村さん(左)と田渡さん=大垣市藤江町の画廊春で

 両腕がなく口で絵筆をくわえて描く洋画家水村喜一郎さん(68)=千葉県鴨川市=の個展が、大垣市藤江町の画廊春で開かれている。絵の具を厚く塗り重ねた素朴な風景画や静物画が見る人の心を静かに揺さぶる。4月5日まで。月曜日と火曜日休み。

 水村さんは東京の下町、向島でとび職の長男として生まれた。9歳の時、近くの変電所で遊んでいて高圧電線に触れて感電。一命は取り留めたが両腕を失った。小さい時から画家を志望し、「たまたま腕を落としたので、とび職はできず、画家になれた」と話す。

 中学1年から油絵を描き、正規の絵画教育は受けなかったが、「描きたいものを描いてきた」。アトリエでは、絵の搬入と搬出以外は独力で、「気に入るまで絵の具を塗り重ねる」制作スタイルだ。

 そのため絵は重層的になり、盛り上がったマチエールで見せる。1994年に大垣市の別の画廊で個展があり、画廊春代表の田渡(たわたり)達久さん(61)は絵を見て詩情に心を打たれ、風景画を1点買った。自分でも個展を開きたいと、昨年8月、水村さんに初めて会って依頼し、快諾を得て実現した。

ドクダミの静物画=大垣市藤江町の画廊春で

ドクダミの静物画=大垣市藤江町の画廊春で

 「自分は風景画家と思っている」と水村さんは自任し、それを体現した房総半島の海岸風景、アザミ、カボチャ、クワイ、ミカンに向き合った静物画など26点を展示。「ドクダミの絵など、はかないけれどもちゃんと生きているリアリティーを描いた」とモチーフを説明する。

 (問)画廊春=0584(78)0043

 (川崎宏三)

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