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【香川】島のあちこちに現代アート 香川県直島町

ジャンル・エリア : 芸術  2015年03月26日

海辺の突堤に据えられているオブジェ「南瓜」(草間彌生さん作)

海辺の突堤に据えられているオブジェ「南瓜」(草間彌生さん作)

海を借景魅力増す

 現代アートを売りにした観光に力を入れている離島が、瀬戸内海にはいくつもある。中でも、香川県の直島(なおしま)は美術館を誘致したり、空き民家を生かして奇抜な作品を展示するなど異彩を放っている。

 直島は周囲約17キロ、人口約3100人。岡山県玉野市の宇野港からフェリーに乗ると20分ほどで玄関口の宮浦港に到着する。島の南側の海辺には2004年、“自然と人間を考える場所”をコンセプトにした「地中(ちちゅう)美術館」が公益財団法人・福武(ふくたけ)財団により設立された。自然景観に配慮して建物の大半は地中にある。建築家安藤忠雄さん設計の美術館は、それ自体がアート。内部には、印象派クロード・モネの「睡蓮(すいれん)」などが展示されている。

 空き民家を生かした作品展示「家プロジェクト」は、町役場がある本村(ほんむら)エリアで展開。地元でチケット(1030円、15歳以下無料)を購入すると、6カ所の作品が鑑賞できる。

 歯科医院兼住居を再利用した「はいしゃ」は、大竹伸朗(しんろう)さんの作品。古びた基地のような建物に入ると、高さ8メートルほどもある純白の“自由の女神像”や、天井、壁、床を真っ黒に塗った部屋があり、びっくりした。

家プロジェクトの作品のひとつ「はいしゃ」=いずれも香川県直島町で

家プロジェクトの作品のひとつ「はいしゃ」=いずれも香川県直島町で

 お寺の跡地にある「南寺(みなみでら)」は、正倉院を思わせる外観で、これも安藤さんの設計。内部の作品はジェームズ・タレルさん(米国)作の「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」。案内員の指示で壁伝いに暗闇の会場に入り、いすに腰掛けた。しばらくは何も見えないが、数分すると目が慣れてきて正面に映画館のスクリーンのような長方形がうっすらと浮かんできた。「見えましたか。これが作品です」の解説に、あぜん。だが、見えるまでにいろんなことを考え、何とも言い表しがたい感動を得ることができた。

 讃岐に流された崇徳(すとく)上皇が上陸したとされる浜の突堤には、黄色いオブジェ「南瓜(かぼちゃ)」(草間彌生(やよい)さん作)が据えられていた。島や海を借景にした現代アートは、作品がより魅力的に映ったが、人間の自然侵食はできるだけ軽微が望ましいことも見えてくる。島内には貴金属の精錬所や産業廃棄物のリサイクル施設もあり、1週間前までに予約すると無料で見学できる。 (富永賢治)

 ▼メモ 直島へは、山陽新幹線の岡山駅からJRの在来線か高速バスで宇野港へ。フェリーの乗船料は大人290円。島内の移動は、レンタルの自転車などが便利。1乗車、大人100円の町営バスもある。地中美術館の開館時間は時期によって異なるが、3~9月は午前10時から午後6時まで。鑑賞料は2060円(15歳以下無料)。月曜(祝日の場合は翌日)休館。(電)087(892)3755。問い合わせは直島町観光協会(電)087(892)2299

(中日新聞夕刊 2015年3月26日掲載)

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