【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【京都】鬼伝説と神話の町 京都府福知山市

【京都】鬼伝説と神話の町 京都府福知山市

ジャンル・エリア : 文化 | 歴史 | 近畿  2015年04月09日

鬼伝説を生かした地域おこしも行われている

鬼伝説を生かした地域おこしも行われている

ミステリー感じる聖地

 歌舞伎にもなった「酒呑童子(しゅてんどうじ)」など、いくつもの鬼伝説がある京都府北部の福知山市大江町。山間の里の地域おこし拠点でもある「日本の鬼の交流博物館」は、地元をはじめ国内外の鬼文化を紹介している。

 大江山(832.5メートル)は、この辺りの最高峰。京の都で悪事を働いた集団の首領・酒呑童子が逃げ込んだ所とされ、勅命による鬼退治が歌舞伎になった。日子坐王(ひこいますのきみ)の軍勢と戦った陸耳御笠(くがみみのみかさ)という土蜘蛛(つちぐも)が逃げ込んだ-との伝説もある。

 日本の鬼の交流博物館は、大江山の東方のふもとにあり、入り口には高さ5メートル、重さ10トンもある世界一の鬼瓦がでーんと据えられている。地元の鬼伝説を紹介しているほか、国内外の鬼の面や鬼瓦を展示。おとぎ話や絵本に登場する、かわいい鬼たちもいて、子どもから大人まで楽しめる。

地元の鬼伝説に登場する鬼たち=日本の鬼の交流博物館で

地元の鬼伝説に登場する鬼たち=日本の鬼の交流博物館で

 博物館から5キロほど市街地方向へ下ると古代神話のミステリーを感じることができる元伊勢内宮皇大(ないくこうたい)神社。本殿の建築様式は伊勢神宮とそっくり。集落のはずれから200メートル余りの参道を上ると国内では2例しかないという「黒木の鳥居」に到着する。色が黒いわけではなく、樹皮が付いたままの杉の丸太で組み上げられている。だが、伊勢神宮より54年も前にまつられた神社だと聞かされ、自然と頭が下がった。

 境内にある「龍灯(りゅうとう)の杉」は樹齢2000年とされ、根元の幹回りは約7メートルもある。台風などで折れ、現在の樹高は30メートルほどだが、かつては50メートルほどあったらしい。すぐ横を流れるのは、もちろん宮川。近くには元伊勢外宮豊受(とようけ)大神社、さらに夏至の時期には、ピラミッドのような輪郭をした日室岳の山頂に太陽が沈む光景が見られる遥拝所や天岩戸神社まであり、元日には、各地から多くの参拝者が訪れる。

古い歴史を誇る元伊勢内宮皇大神社。手前は「黒木の鳥居」=いずれも京都府福知山市大江町で

古い歴史を誇る元伊勢内宮皇大神社。手前は「黒木の鳥居」=いずれも京都府福知山市大江町で

 地元の歴史に詳しい大江地域観光案内倶楽部(くらぶ)会長の赤松武司さん(62)は「この辺りは、稲作をつかさどる古代の聖地でした。鉄をめぐる争いなど、さまざまな闘争を経て伊勢神宮が鎮座し、大江町の元伊勢宮は、その後、造られたようです」と話す。日本海に近いので、山の幸だけでなく海の幸も味わえる。由良川で捕れた川エビのから揚げは、香ばしくてなかなかの美味だった。 (富永賢治)

 ▼メモ 日本の鬼の交流博物館へは、JR福知山駅で京都丹後鉄道に乗り換え、最寄りの大江山口内宮駅まで約30分、さらにバスで10分。車は、京都縦貫道・舞鶴大江ICから約30分。博物館は午前9時から午後5時まで。入館料は一般320円、高校生210円、小中学生160円。月曜(祝日の場合は翌日)休館。(電)0773(56)1996。問い合わせは、市などが運営する大江観光(電)0773(56)2070

(中日新聞夕刊 2015年4月9日掲載)

旅コラム
国内
海外