【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【富山】先人の知恵息づく散居村 富山県砺波市

【富山】先人の知恵息づく散居村 富山県砺波市

ジャンル・エリア : グルメ | 富山 | 文化  2015年04月16日

あずまだちと呼ばれる伝統家屋を活用した「農家レストラン大門」

あずまだちと呼ばれる伝統家屋を活用した「農家レストラン大門」

伝統家屋で“郷土”味わう

 道路から農村の癒やしの光景が見えた。富山県西部に広がる砺波平野の散居村(さんきょそん)。かいにょ(屋敷林)に囲まれた家々が一軒一軒離れて点在する。

 砺波市の観光といえば、庄川峡とチューリップと、この散居村。チューリップフェア(23日~5月6日)の開幕を前に、築120年の古民家を改装した「農家レストラン大門(おおかど)」が3月にオープンした。

 田園風景に溶け込み、ひときわ高いスギに囲まれたレストランは、切り妻の瓦ぶき屋根の「あずまだち」と呼ぶ伝統家屋。1897年に建てられ、空き家となっていたのを地元の有志が活用した。土地はざっと500坪(1650平方メートル)、家屋は100坪(330平方メートル)。太い梁(はり)が渡った天井、格子戸などを残した。

大門そうめん(中央左)が存在感を放つ伝承料理(昼の「白雪姫」)

大門そうめん(中央左)が存在感を放つ伝承料理(昼の「白雪姫」)

 住民が出資した会社で社長となった境貞雄さん(66)は「この空間が散居村観光の目玉になれば」と期待。台所は伝承料理研究グループで活動してきた妻の嘉代子さん(62)が、「先人の知恵を伝承した、全部手作りの料理。砺波の文化をお客さんに伝えていきたい」と張り切る。

 春のメニューは、特産の大門そうめん、小松菜をみそであえた「よごし」、サトイモの田楽といった砺波地方の郷土料理。素朴で家庭の温かみが感じられる。溶き卵を寒天で固めた「ゆべす」も、富山、石川両県の各所で「えびす」「べろべろ」と呼ばれる伝統料理だ。椀(わん)など朱塗りの漆器は、地域の各家庭に眠っていたものを提供してもらった。

 車ならレストランから数分で、「となみ散居村ミュージアム」へ。あずまだちの建物を復元した伝統館や民具館などの施設があり、楽しく学べる。散居村は家の周辺で田畑を耕すことの効率の良さや、天災などの被害集中を防ぐ利点がある。隣家との距離は約100メートル。かいにょの大きな樹木は、防風に加え、毎日の燃料や家を建て替えるときの建築材料に使われた。

 砺波平野を一望できる散居村展望台は、ぜひに。となみ夢の平スキー場近くにあり、郷愁を誘う絶景が眼下に広がる。季節や朝夕でさまざまな姿を見せるという。 (小畑一成)

 ▼メモ 農家レストラン大門(砺波市大門)は北陸道・砺波ICから車で8分、JR砺波駅から徒歩20分。昼のコース料理はチューリップの名にちなんだ「恋茜(こいあかね)」「白雪姫」「黄小町」があり、1620円から。夜は予約のみ。水、木曜休み。(電)0763(33)0088。となみ散居村ミュージアム(同市太郎丸)(電)0763(34)7180。散居村展望台(同市五谷)は、砺波ICから車で20分。問い合わせは砺波市商工観光課(電)0763(33)1111

散居村ミュージアム=いずれも富山県砺波市で

散居村ミュージアム=いずれも富山県砺波市で

(中日新聞夕刊 2015年4月16日掲載)

旅コラム
国内
海外