【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【福井】能楽の里 福井県池田町

【福井】能楽の里 福井県池田町

ジャンル・エリア : グルメ | 工芸品 | 文化 | 福井  2015年04月23日

能面美術館には、数多くの能面が展示されている

能面美術館には、数多くの能面が展示されている

能面ずらり豊かな表情

 能楽創成期の鎌倉時代に活躍した赤鶴(しゃくづる)など、高名な面打ち師を数多く輩出した福井県池田町の神社には、多くの能面が伝わる。これと豊かな自然を組み合わせ、“能楽の里”として行楽客の呼び込みに力を入れている。

 隣の越前市から国道417号を通り、板垣峠を越えると人気アニメのキャラクター「トトロ」のオブジェが沿道で出迎えてくれる。町の中心部には地域の惣社・須波阿須疑(すわあずき)神社。鳥居をくぐり200メートルほどの参道を進むと1491(延徳3)年に再建された本殿(国重要文化財)が、石段の上に鎮座していた。簡素だが、重みを感じる造り。広い境内には、能楽の里歴史館や能舞台もある。

 お目当ての能面美術館は、須波阿須疑神社から南東へ数キロ行った山すそにある。能舞台を備え、能面の中の能面といわれる「増女(ぞうおんな)」や老体の神「皺尉(しわじょう)」、それに女の怨霊「般若」など、町内外に伝わる古面を中心に計約80点を展示している。初代館長で各地に多くの弟子を持つ能面師、桑田能忍(くわだのうにん)=本名・公孝=さん(69)は、隣の「能面工房 古木庵(こぼくあん)」で、創作の傍ら能面教室を開いている。

国の重要文化財に指定されている須波阿須疑神社の本殿

国の重要文化財に指定されている須波阿須疑神社の本殿

 桑田さんは「能面は、人間のさまざまな思いや、自然界の現象などを擬人化して能楽に使う道具」と言い、「美術館に来たら、能面とは何ぞや、そしてそれぞれの面が、(見る側の)五感に訴えているものは何か-を感じ取っていただきたい」と話す。

 能面作りは、彫るだけでなく表情や彩色など、すべての作業を1人でこなさなければならず、幅広い才覚が求められる。このため完成までには、「写しで2カ月、創作だと構想を含め早くて1、2年、ものによっては何十年かかるか分からない」(桑田さん)のだという。

 近くには、そば打ちが体験ができる「そば道場」や足羽川に架かる長さ44メートル、水面からの高さ12メートルの「かずら橋」(通行は有料)も。町役場周辺には、飲食店が点在しており、「そば処(どころ) 一福(いっぷく)」ののれんをくぐった。お薦めは、塩だしの「おろしそば」(650円)。具材、個々の味がよく分かる、絶妙の味付けだった。 (富永賢治)

 ▼メモ 池田町へは、JR武生駅からバスで約1時間。車は、北陸道・武生ICから約30分。能面美術館は午前10時から午後4時(土日は5時)まで。入館料は大人300円、小中学生200円。火曜(祝日の場合は翌日)休館。(電)0778(44)7757。「そば処 一福」は午前11時から午後5時まで。火曜(祝日の場合は翌日)定休。(電)0778(44)6121。問い合わせは、いけだ農村観光協会(電)0778(44)8060

塩だしで食べる「そば処 一福」のおろしそば=いずれも福井県池田町で

塩だしで食べる「そば処 一福」のおろしそば=いずれも福井県池田町で

(中日新聞夕刊 2015年4月23日掲載)

旅コラム
国内
海外