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【静岡】音楽で知る沖縄問題 8日にコンサート

ジャンル・エリア : 歴史 | 芸術 | 静岡  2015年05月29日

コンサートの成功に向けて、話し合いを進める学生ら=浜松市中区の静岡文化芸術大で

コンサートの成功に向けて、話し合いを進める学生ら=浜松市中区の静岡文化芸術大で

◆静岡文化芸大生「初めの一歩に」

 静岡文化芸術大(浜松市中区)の学生が、音楽を通じて沖縄の現実を知ってもらおうと動き始めた。沖縄の三線(さんしん)奏者らを招いたコンサート「沖縄のうた…命薬(ぬちぐすい)としての音楽」を6月8日、同大学で開く。学生たちは準備に奔走しながら、沖縄戦や今に続く基地問題など、沖縄が強いられた苦渋の歴史を学んでいる。

 「どんな言葉なら心に届くか。沖縄の問題に目を向けてもらえるだろう」

 26日、学内の教室に20人ほどの学生が集まり、コンサートの運営会議を開いていた。入学したばかりの柴田真利(まり)さん(18)=藤枝市=は「辺野古新基地計画とか沖縄の問題を意識していなかったが、最近はニュースを真剣に見る」と自身の小さな変化を話す。

 静岡文化芸術大では地域連携を深めるため、学生が企画運営する「室内楽演奏会」を開いている。今年からその演奏会で「音楽の力」と題したシリーズ企画を始めることになり、その1回目に沖縄を選んだ。

 中心的役割を担う芸術文化学科2年の冨樫亜耶佳さん(20)=愛知県豊田市出身=は、「沖縄戦から続く負の遺産を70年も強いるのはやっぱりちょっと変。ただ、政治とか基地といきなり訴えると、大学生は大概身構える。沖縄の音楽といえば、自然に入ってきてもらえるのでは」とコンサートの狙いを話した。

 コンサートは、1990~2013年に沖縄県立芸術大に赴任していた静岡文化芸術大の梅田英春教授=民族音楽学専攻=が協力し、沖縄在住の三線奏者を招く。

 沖縄民謡や古典音楽の歌詞は、琉球王国の苦しみを表現したり、米軍統治下で平和の願いを織り込んだものも多い。コンサートでは沖縄県立芸術大の教授から、こうした歌詞の意味や時代背景の解説もあり、聴きどころの1つだ。

 冨樫さんらの心に残る曲がある。江戸時代に薩摩藩に進攻された琉球王朝の戸惑いと苦しみを歌った古典曲「仲風節」だ。辺野古問題にも通じる沖縄の思いに触れられるからだ。

 ●まくとぅふぃとぅちぬうちゆさみ(誠一つの浮世さめ)ぬゆでぃいくとぅばぬあわんうちゅが(のよでい言葉のあはぬおきゆが)。意味は、世の中のことは誠の心で貫くことが最も大事。この心持ちであれば、お互いの言葉に仲たがいするようなことがあろうか-となる。

 米軍統治下の1953年に生まれた民謡「ヒヤミカチ節」も心を揺さぶる。ヒヤミカチウキリとは「エイッと起き上がる」の意だ。

 ●楽(がく)や鳴(な)いしゅらさ 花や咲ち美(ちゅ)らさ 我(わ)した此(く)ぬ沖縄(うちなー) 世界(しけ)に知らさ

(音楽が鳴り響き花が咲き誇る美しさ、われらのこの沖縄を世界に知らしめよう)

 ●ヒヤ ヒヤ ヒヤヒヤヒヤ ヒヤミカチウキリ ヒヤミカチウキリ

 学生たちの熱心な広報活動に、定員80人は2週間で予約が埋まった。だが、大学側も学生の思いをくみ、定員を120人に拡大して、側面支援する。冨樫さんは「沖縄を考える、初めの一歩でいい。多くの人に足を運んでもらいたい」と呼び掛ける。

    ◇

 コンサートは午後6時半開演。入場無料だが、予約が必要。氏名や参加人数、住所、電話番号を記して、ファクスなどで受け付ける。6月6日まで。ファクスは、静岡文化芸術大梅田研究室=053(457)6123。問い合わせは、同研究室=電053(457)6185=へ。

(木原育子)

文中の●は庵点

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