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【愛知】「仁王胴具足」謎解明へ一歩 木曽川町伝来の甲冑復元

ジャンル・エリア : 愛知 | 文化 | 歴史  2015年06月25日

実物の科学調査を経て復元された「仁王胴具足」=一宮市博物館で

実物の科学調査を経て復元された「仁王胴具足」=一宮市博物館で

 一宮市木曽川町伝来の甲冑(かっちゅう)「仁王胴具足」の復元品が出来上がり、調査を進めていた市博物館で公開している。仁王像のような男性の肉体を模した奇抜な意匠が特徴で、全国的にも珍しいという。所有者や製作年代が不明の「謎の甲冑」といわれてきたが、調査で16世紀後半~17世紀前半の作との見方が強まった。塗料の原料や退色していた糸の色なども判明した。

 仁王胴具足は、胴部分には肋骨(ろっこつ)や乳首があるほか、かぶとには頭髪などを模した毛が植えられている。遅くとも幕末期から旧黒田村(現在の木曽川町黒田)の蔵で保存され、1960(昭和35)~79年には木曽川町黒田の大畑公民館に置かれた。現在は市博物館で所蔵されている。

 仁王胴具足の類例は東京国立博物館などで所蔵されている数点のみだが、一部に修復が施されているケースがほとんど。一宮市の具足は毛や塗料が落ちるなど傷みが激しいものの、実物が修復されずに残っていて貴重とされてきた。

 市博物館は、2013年に東京文化財研究所と共同で具足の科学調査を開始。その結果、木曽川町では戦国武将山内一豊の父盛豊(1500~59年)のものと伝えられてきたが、製作時期はやや年代が下る天正・慶長年間(1573~1615年)の間との見方が強まった。

 腕部分の布地の文様は豊臣秀吉の胴服の襟部分の文様と類似していることから、豊臣家から拝領された可能性がある。胴部分などの塗料は、西洋技法のように乾性油に鉛白などを混ぜたものだったことも分かった。

 市博物館はできるだけ実物の製作当時の技法や素材を用いられるよう、2014年5月から東京や京都の甲冑工房などに依頼して復元品を製作。胴はピンク色、袖部分は紫、白、藍の三色となり、馬毛や人毛を使って頭髪や眉毛、胸毛が再現された。

 復元品は常設展示室にある。市博物館の担当学芸員は「調査と復元を経て、あらためて高い技術で製作されたことも分かり、具足の謎の解明への一歩となった。今後も検証を積み重ねたい」と話す。月曜休館。(問)市博物館=0586(46)3215

 (太田理英子)

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