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【奈良】歴史と自然の宝庫 奈良県天川村

ジャンル・エリア : グルメ | | | 歴史 | | 近畿  2015年07月09日

御手洗渓谷の遊歩道は眺めも素晴らしい

御手洗渓谷の遊歩道は眺めも素晴らしい

澄み切った空気と水 満喫

 女人禁制の山上(さんじょう)ケ岳(1,719メートル)頂上部にある大峯山寺本堂への玄関口ともいえるのが奈良県天川村の洞川(どろがわ)温泉。熊野古道や、寺に通じる大峯奥駈道(おくがけみち)は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部で世界遺産にもなっている。修行ではなく、行楽で出かけても澄み切った空気と水に癒やされる。まさに山紫水明の地だ。

 標高約800メートル。清流・山上川沿いに軒を連ねる洞川温泉郷は、旅館と民宿を合わせて20軒余り。通りには、古くから伝わる胃腸薬「陀羅尼助(だらにすけ)」の看板やのぼりが目につく。やや上流で産出される名水「ごろごろ水」などで作る豆腐も特産品。中ほどの山口屋は、店先で1人前150円で食べられると聞き、訪ねてみた。

 現在は3代目の山口成基さん(48)が、父母らと店を切り盛りしている。注文すると厚さ5センチほどの木綿豆腐が出てきた。しょうがじょうゆが備え付けてあり、かけて食べるとなかなかの美味。食べている間にも幾人かが車で来て、買い求めていた。

 川向かいの龍泉寺は、大峯山寺の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)により草創された。修験者や信者は必ず訪れるという真言宗・醍醐派大本山。山裾から湧き出した清水が、境内の広い池に引かれている。龍泉寺は女人禁制ではなく、池にある第一水行場も使える。白装束で身を清めた女性は、女人大峯ともいわれる稲村ケ岳(1,726メートル)へ登るのだという。

龍泉寺の第一水行場。境内には女性も入れる=いずれも奈良県天川村で

龍泉寺の第一水行場。境内には女性も入れる=いずれも奈良県天川村で

 やや下流部の山中には、面不動鍾乳洞。ふもとからの標高差は150メートルほどあるが、簡易ケーブル(往復500円)に乗ると数分で到着する。洞内の気温は年間を通じて約8度。夏場は、特にお勧めだ。

 さらに下流の御手洗渓谷と、その周辺には遊歩道が整備されている。売店横の登り口は急勾配の岩場だが、鉄製の手すり付き階段が横にありスムーズに登れる。渓谷にも同様のしっかりした橋があり、300メートルほど行くと落差10メートルほどの滝にたどり着いた。遊歩道からの眺めもよく、滝周辺には、平べったい石灰岩が広がっていた。ここで腰を下ろし、しばらく休憩。聞こえるのは、川音と野鳥のさえずりだけ。何とも心地よかった。

 村内の天河大弁財天社は、日本三大弁財天の筆頭・大峯本宮とされる。空海が高野山を開く前、この地で修行した際に残した直筆の書などが残されている。 (富永賢治)

 ▼メモ 天川村へは、近鉄の下市口駅からバスで約1時間。車は、名阪国道・針ICから約2時間。村営の日帰り入浴施設・洞川温泉センター(水曜休館)、みずはの湯(木曜同)、天の川温泉センター(火曜同)がある。休館日が祝日の場合は、翌日に変更。入浴料は大人600円、3歳以上小学生まで200円。問い合わせは天川村総合案内所(電)0747(63)0999

(中日新聞夕刊 2015年7月9日掲載)

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