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【長野】ワサビ田と湧水 長野県安曇野市

ジャンル・エリア : | 特産 | 甲信越  2015年07月16日

寒冷紗の下にはみずみずしいワサビ田が広がる

寒冷紗の下にはみずみずしいワサビ田が広がる

広々、日本一の生産量

 「一夜穂高の山葵(わさび)となりて京の小町を泣かせたや」とは、民謡の安曇節の名文句だ。“なみだ”は、すしや刺し身、そばに欠かせない。酒のつまみになめるのも乙。芋だけでなく、葉も茎もいけるなあと、長野県安曇野市に、年間120万人の観光客を集める「大王わさび農場」を訪ねた。
 
 小石を敷き詰めた15万平方メートルのワサビ田に1日12万トンの湧水がとうとうと流れ、遊歩道を歩くと、見るからに涼しそう。黒い寒冷紗(かんれいしゃ)の下には、畝に植えられたワサビの葉の緑がみずみずしい。もしやと思って鼻を利かせたが、さすがにツンとはしなかった。
 
 安曇野のワサビ栽培は明治初期に始まった。ナシ畑の排水路に植えていたのを特産化。北アルプスの雪解け水の湧水を生かして、日本一の生産量を誇るようになった。
 
 農場はナゴヤドームのフィールド11個分という広さ。3、4月には白い花が見られ、4~9月には寒冷紗がかけられるが、収穫は1年中。湧水の温度は1年を通してほぼ13度。親水広場には、「素足になって湧水の冷たさに触れてください」と案内があり、足湯ならぬ“足水”に興じることができる。
 
 蓼川(たでがわ)に回る三連水車は黒沢明監督の映画「夢」(1990年)に登場した安曇野の原風景。撮影の人気スポットであり、ボートも楽しめる。

癒やされる「安曇野わさび田湧水群公園」=いずれも長野県安曇野市で

癒やされる「安曇野わさび田湧水群公園」=いずれも長野県安曇野市で

 農場内は、食事や土産品が充実。ワサビの風味を生かしたソフトクリームやコロッケ、ビールなどがバラエティー豊かにそろう。

 湧水は、「安曇野わさび田湧水群」として、名水百選になっている。さまざまな施設をそろえた「安曇野の里」など、あちこちに名水を提供するスタンドがある。

 飲めないけれど、湧水の雰囲気を味わうなら、「安曇野わさび田湧水群公園」だ。伏流水となって湧き出す水は驚くほど勢いがある。その水をたたえた憩いの池はうそみたいに透明で、底の石、水ゴケがくっきり見えた。鳥の鳴き声とせせらぎの音だけが聞こえて落ち着いた気分になれる。涼風があれば言うことなし。 (小畑一成)

 

 ▼メモ 安曇野へは、JR名古屋駅から特急で松本を経由し大糸線穂高駅まで3時間弱。車だと名古屋から中央道を経て長野道・安曇野ICまで約2時間半。大王わさび農場(長野県安曇野市穂高)=(電)0263(82)2118=は無休、入場無料。穂高駅から徒歩40分、車で10分。穂高駅前にはレンタサイクルの店がいくつかあり、農場への利用者も多い。また、周遊バスが穂高駅と農場、「安曇野の里」など観光名所を運行している。安曇野市の観光案内、宿泊案内は、同市観光情報センター(電)0263(82)9363

(中日新聞夕刊 2015年7月16日掲載)

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