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【長野】軽井沢蒸留所、別れの時 25日に最後の公開

ジャンル・エリア : 文化 | 歴史 | 特産 | 甲信越  2015年10月23日

最後の一般公開を迎える軽井沢蒸留所=御代田町提供

最後の一般公開を迎える軽井沢蒸留所=御代田町提供

 生産したウイスキーが国際賞を受賞したこともある蒸留所が、60年の歴史に幕を下ろす。ワイン製造販売大手・メルシャン(東京都)が2012年に閉鎖した軽井沢蒸留所(御代田町)の解体が始まるのを前に、25日に最後の一般公開が予定されている。関係者は「寂しい思い」と名残を惜しんだ。

 「水の硬度が良かった。ウイスキーに最高の水だった」。1960年から40年以上働き、最後は責任者「モルトマスター」も務めた内堀修省さん(73)は振り返る。「当時は『どんどん作って、どんどん売れ』という時代。50人が三交代で働いていた」と懐かしむ。

 メルシャンの前身、大黒葡萄(ぶどう)酒が操業開始したのは56年。76年には一つの蒸留所で作られたモルト(大麦麦芽)ウイスキーのみで生産する「シングルモルトウイスキー」を日本で初めて発売した。

蒸留所の内部=御代田町提供

蒸留所の内部=御代田町提供

 しかし、80年代の税制改正などの影響を受け、ウイスキー事業は縮小。2004年を最後に自社用の原酒製造を終え、メルシャンがキリンの子会社になった後の12年に完全に閉鎖された。

 ただ、製品の評価は高く、01年には蒸留所で生産した「軽井沢12年」が、国際的なコンクールで金賞を受賞。在庫を買い取った会社が販売した製品は、現在でも海外のオークションで高値で取引されている。

 ツタに覆われた蒸留所の施設は、観光地としても人気を集めた。ツタは温度を一定に保つために内堀さんが植えた。雑誌の写真グラフに取り上げられ、結婚式を開いたカップルもいたという。

 昨年、蒸留所は町の所有となった。町は内部設備を一般競争入札にかけた。今年3月に落札した静岡市清水区の洋酒輸入会社「ガイアフロー」のグループ会社は、設備を再利用して同市内でウイスキー生産を始める。一方、建物は取り壊され、跡地に新たな町役場が建設される。

 見学会は、25日午前10時~午後3時。町の担当者は「町とともに歩んできた蒸留所。施設は新たな土地に引き継がれるので、興味を持って見てほしい」と話す。

 内堀さんは「蒸留所を残した方がいいという声もあっただけに、寂しい思い。もう少し今のウイスキーブームが早く来ていれば残せたかも」と別れを惜しんだ。 (小西数紀)

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