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【長野】「天空の里」下栗の里 長野県飯田市

ジャンル・エリア : グルメ | | 甲信越 | 自然 | 野菜  2015年12月03日

南アルプスを望む急斜面にある下栗の里

南アルプスを望む急斜面にある下栗の里

急斜面に張り付く民家

 長野県飯田市の上村、南信濃両地区と天龍村の一部は遠山郷と呼ばれている。中でも、上村にある「下栗(しもぐり)の里」と呼ばれている集落は標高1000メートル前後の急傾斜地に民家が点在し、「天空の里」と例えられている。

 上村の中心部から、車で細いつづら折りの道を30分ほど行くと視界が開けた。南東向きの斜面には張り付くように民家がある。平均傾斜は20度前後というが、最大傾斜は40度近くという。一気に遠山川へと落ち込む様子は恐怖感さえ覚える。

 下栗の里には50戸近くあり、今も約100人が暮らす。山間地で生まれ育った私でも、驚くような山深さだ。かつてネパールのエベレスト街道で見た山里を思い出した。深く切り込んだ渓谷をはさんで、正面には2000メートル前後の南アルプスの峰が連なる。

段々畑でネギを収穫していた男性

段々畑でネギを収穫していた男性

 くねくねと曲がりくねった集落の道を歩くと、段々畑でネギを収穫している男性がいた。耕作機械の入れる場所が少なく、今も人力が頼りという。ゆっくり歩くと、人の住んでいない家が目立つ。地元の年配男性は「ここにも過疎化の波が押し寄せていますが、祭りのときになると、若い者が都会から帰ってくる」と話す。遠山郷一帯で12月に行われる霜月祭りだ。下栗では13日に行われる。

 今度は大きな竹かごを背負った男性とすれ違った。水平方向にはゆるやかな南アルプスの稜線(りょうせん)。「日本百名山」で名高い深田久弥は50年近く前にここを訪れ、著書「百名山以外の名山50」で下栗の里の美しさを記しているのにも納得した。

 そば料理などが味わえる食事処(どころ)や無料駐車場のある高台から20分ほど歩くと、この地区を見渡せるビューポイントに到着した。広大な南アルプスに抱かれるようにたたずむ里。近くでは縄文時代の土器が出土し、この里は鎌倉武士が移住したとも伝えられる。雄大な自然もさることながら、ここで生きるという営みを続けた人間のたくましさに感心した。

 
こってりとした味わいのジンギスカン定食=いずれも長野県飯田市で

こってりとした味わいのジンギスカン定食=いずれも長野県飯田市で

 遠山郷といえばジンギスカン。下栗地区を後にして、遠山郷南部の南信濃和田にある老舗・星野屋に立ち寄り「ジンギスカン定食」(1620円)を注文した。自家製のみそなどで味付けされたマトンは、こってりとした深みのある味わい。山里を歩いて疲れた体に染み渡るようだった。  (柳沢研二)

 ▼メモ 下栗の里へはマイカーの利用が便利。中央道・飯田ICから三遠南信道経由で約1時間15分。半場地区の高台に無料駐車場がある。星野屋では熊、鹿、イノシシなどの山肉料理も味わえる。不定休。(電)0260(34)2012。宿は山肉や川魚料理が堪能できる、いろりの宿島畑=(電)0260(34)2286=などがある。この時期は冬用タイヤ装着を。遠山郷観光協会(電)0260(34)1071

(中日新聞夕刊 2015年12月3日掲載)

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